黒帯エンジニアが教えるプロの技術 Android開発の教科書/筒井俊祐他
6月に出た新しい本を早速ざっと読んでみた。
初学者が、Android開発というドメインの全体を広く浅く見渡すのにうってつけの本だろう。
この本で具体的な何かを学ぶ、と言うことでは無く、この本で、何を学んだら良いのかを学ぶ、という事である。
ITの世界はドッグイヤーだが、特にAndroid開発に関するトピックは、実に変遷が激しい。最先端の技術を一冊の書で学ぶなんて事はもちろん、最先端の技術にはどんなものがあるのかを知ることすら、一冊の書のボリュームでは難しくなってきている。
本書では、Android Studio、基本コンポーネントのActivity/Fragment/ContentProviderなど、Support Libraryの位置づけ、設計手法、ビルドシステムとGradle、ユニットテストとUIテスト、CI、アプリデザイン、Material Design、セキュリティ、プロファイリングと最適化、マネタイズ、リリースなどなど、アプリを開発するための「外堀」の概要を知ることができるだろう。本書はそれなりに分厚い本だが内容が多岐にわたるので各話の内容が薄いのは構成上仕方ない。それぞれのトピックは、それぞれまた専門の入門書を入手して学ぶべしである。また、開発の中心工程であるプログラミング自体を学ぶには、それなりにまとまった量のテキストを読む必要があるだろう。いずれにしても地図さえあれば後は歩くだけなので、こんなに楽なことは無い。
間違っても古い類書を選ばないことである。地図は最新で無いと意味が無い。読んでも益無しどころか、むしろ読んだら害がある。初学者が2,3年前の出版といった骨董本で目標地点を定めてしまうと悲惨な末路が待つだろう。