記憶をコントロールする 分子脳科学の挑戦/井ノ口馨 | 読んだり観たり聴いたりしたもの

記憶をコントロールする 分子脳科学の挑戦/井ノ口馨

2月の積み本消化6冊目。

と言っても、この本は図書館で借りた本。もう長い事借りていた本で、一旦返してまた借りたという経緯。読みにくいとか詰まらないとかでは無くて、以前は読む時間が全然取れなかったので読めなかったと言う事だ。

分子ベース、つまり遺伝子レベルで脳機能を研究する著者の専門、ずばり記憶の分子的メカニズムについて、高校生にも分かりやすく解説した良書。
短期記憶と長期記憶、海馬と大脳皮質での記憶の保持と忘却、記憶の連合と再固定化など、記憶とは、脳でどのように作られ保たれるのか、仮説をたて実証していく様が分かりやすく描かれ、大変楽しく読めた。
末尾の、意識=超短期記憶という仮説は、さすがに、人間=記憶という立場の私でもやや眉唾ではあるが、記憶の重要性は本書にてよく分かるだろう。全般的に基礎研究だが、PTSD予防や治療と言った、すぐにでも臨床に入れる応用も紹介され、この分野の今後の展開に期待される。
現段階でもある程度記憶を人工的にコントロールできる技術は、すぐにミステリなどに応用されるであろう。

井ノ口馨
記憶をコントロールする 分子脳科学の挑戦