勝ち続ける意志力/梅原大吾 | 読んだり観たり聴いたりしたもの

勝ち続ける意志力/梅原大吾

2月の積み本消化4冊目。

トータルではかなり面白くまた参考になった。
だが、読み始めから前半まで、本当に辛くて読みにくく感じた。
もうね、本当に痛くて読むのが辛いほど。すさまじいまでのコンプレックスとその裏返しであるゲームへの情熱の傾注が、繰り返し繰り返し、もうこのまま最後までこの繰り返しなんじゃ無いかと朦朧とするほどに執拗に吐露される。

まさか、このような本だとは思ってなかった。あのプロゲーマーウメハラの本という事で、スト4対戦裏話など、対戦ゲームのシステム上のトピックや、対戦ゲーマーの生態などについての楽しいお話があるのでは、と気楽に拾った本だった。

が、中身はアスリートも裸足で逃げ出すような、ガチガチの修身論とその実践の記録である。しかも、「ゲームしかできない」「たかがゲームと思われる」という、何者かになって何かをなしえたいという身を切るような凄まじい承認欲求と、その奔流がゲームに向かう様が時系列に沿って、ゲームに打ち込んで、そんな自分を中々認められなくて、挫折して、うちひしがれて、逃げて、また戻ってと、驚くほど赤裸々に記されている。
対戦格闘ゲームの具体的な記述はほぼ皆無で、ゲームについて何も知らない人でも問題なく読める。例えば、ゲームという単語を将棋とかテニスとかに置換しても全く違和感無く読めるだろう。逆にゲームファンこそ、むしろ肩すかしを食らうかもしれない。

ゲームで世界一になった後、著者はゲームを捨てる。その後麻雀に転向して3年でトップレベルまで辿り着いた後、やはり麻雀を捨てる。
著者が求めているのは、結果では無いのだ。求めているのは、自分とはなんなのか、という真理。

本書の後半、挫折してそこから紆余曲折の末、またゲームに舞い戻るまでの茨道は大変感動的だった。読んで良かったと思う。


梅原大吾
勝ち続ける意志力