舟を編む/三浦しをん
エントリ見れば丸わかりの通り、昨年はまるで本が読めなかった。
自分の時間の使い方が下手なせいである。しかも、書籍はもとより小説やマンガすらろくに読めず、仕事場での拾い物がどんどんと積み上がってしまっている。特に、妻は読んだのに自分は読めてない、というブツが増え、早く処分したいなあという雰囲気がふんぷんと書架に滲む。
これではいかんと、今年はルーティンを工夫して組み直し、強制的に読書する時間を設けて少しずつでも読み、コツコツ処分を進める事にした。
と言うわけで第1弾がこれ。23年前に流行った際、仕事場で拾って積んでおいた物。妻の評価もそこそこだ。
読んでみたが、割合面白かった。この著者の作品は、過去に新聞のコラムぐらいしか読んだ事が無かったが、クセが無く読みやすいだろう。
長き年月にわたる辞書編纂に情熱を傾注した人達の物語である。
その割には、印象が非常に淡泊で残念。もうちょっとドロドロ書いてもらうと好みだったろう。
軽薄男西岡の逸話が出色だろう。彼の存在が物語をぐっと引き締めている。
本屋大賞という賞の意味合いが分からないので何とも判断しづらいが、大賞を取るほどの内容では無いと思うが、期待せず一読する分にはそれなりに楽しめるだろう。
残念なのは、情念の源泉の描かれ方。言葉は人の精神活動の根本であり、辞書はそれを盤石にせしめんが為に編まれるのだ、という大義名分を前面に押し出して貫く本作は、大変立派ではあるが、それだけに浅い。
そうではなく、ともかく言葉について考え辞書を作るのが好きなんだ、という虚飾を払った本心を、露わとは言わずとも感じさせる描き方があれば良かったと思うのだ。馬締も松本先生も、辞書編纂に血道を上げながら、それでも家庭は円満というズル技のような設定だが、家庭を壊し、生活人として破綻しながらも辞書作りにのめり込む、という鬼気迫る迫力が欲しかった所。
PrimeVideoで映画版が見られるので、機会があれば観てみたい。

三浦しをん 舟を編む
自分の時間の使い方が下手なせいである。しかも、書籍はもとより小説やマンガすらろくに読めず、仕事場での拾い物がどんどんと積み上がってしまっている。特に、妻は読んだのに自分は読めてない、というブツが増え、早く処分したいなあという雰囲気がふんぷんと書架に滲む。
これではいかんと、今年はルーティンを工夫して組み直し、強制的に読書する時間を設けて少しずつでも読み、コツコツ処分を進める事にした。
と言うわけで第1弾がこれ。23年前に流行った際、仕事場で拾って積んでおいた物。妻の評価もそこそこだ。
読んでみたが、割合面白かった。この著者の作品は、過去に新聞のコラムぐらいしか読んだ事が無かったが、クセが無く読みやすいだろう。
長き年月にわたる辞書編纂に情熱を傾注した人達の物語である。
その割には、印象が非常に淡泊で残念。もうちょっとドロドロ書いてもらうと好みだったろう。
軽薄男西岡の逸話が出色だろう。彼の存在が物語をぐっと引き締めている。
本屋大賞という賞の意味合いが分からないので何とも判断しづらいが、大賞を取るほどの内容では無いと思うが、期待せず一読する分にはそれなりに楽しめるだろう。
残念なのは、情念の源泉の描かれ方。言葉は人の精神活動の根本であり、辞書はそれを盤石にせしめんが為に編まれるのだ、という大義名分を前面に押し出して貫く本作は、大変立派ではあるが、それだけに浅い。
そうではなく、ともかく言葉について考え辞書を作るのが好きなんだ、という虚飾を払った本心を、露わとは言わずとも感じさせる描き方があれば良かったと思うのだ。馬締も松本先生も、辞書編纂に血道を上げながら、それでも家庭は円満というズル技のような設定だが、家庭を壊し、生活人として破綻しながらも辞書作りにのめり込む、という鬼気迫る迫力が欲しかった所。
PrimeVideoで映画版が見られるので、機会があれば観てみたい。