3DS/大合奏! バンドブラザーズPデビュー/任天堂 | 読んだり観たり聴いたりしたもの

3DS/大合奏! バンドブラザーズPデビュー/任天堂

不気味の谷というものがある。
ロボットの外見を、人間を精巧に真似てどんどんリアル度を増してゆくと、ある時点で、非常に不気味な印象をうけるという仮説だ。
凄く人間に似ていながら人間では無い何かを感じる違和感からとも、それが死者の姿を連想させるからとも言われる。
蝋人形や市松人形など、精巧な顔面造形をもつ人形にも、こうした印象を抱くことがあるだろう。

これと同じ現象が、聴覚にも起こりうるのでは無いかと、最近思いついた。
つまり、ボカロである。
初音ミクに代表されるボーカロイド楽曲は、すでにワールドワイドで一大ミュージックシーンとなって久しいが、個人的には、あまり好きでは無かった。
ボカロの生気の無い歌声は、どうにも生理的に受け付けなかったからだ。
人工物然とした味気ない音声合成が特に嫌いというわけでは無い。
そこには、やはりある程度リアルさを感じさせ、ある種の錯覚を呼び起こさないと、「不気味さ」は現れないということなのだろう。

先日200円でDLしたこのタイトルにも、ヤマハ協力の元、やや簡易的になったボカロが搭載されており、職人と呼ばれるユーザが耳コピーで作り上げたあらゆるジャンルの音楽が8000曲ほど登録されている。もちろん、ボカロの名曲と呼ばれるものも多数取りそろえてあるわけだ。
それが、意外と聴けるのだ。
ミクほどの違和感を感じずに意外と馴染みやすいのは、やはり、ミクより幾分チープで「おもちゃ感」があるからでは無いか。そのために、不気味の谷の手前で聴く事ができるのでは無いか、そう考えた次第である。

そんなわけで、最近では仕事中にラジオのスッポン放送を聴いている事が多いのであった。登録曲をラジオ形式で紹介するゲーム内の番組である。
追加曲の購入もいいなあと思い始めた。
その場合、トマト(=ゲーム内通貨)の購入には、投げ売りのパッケージ版を購入して、100曲分のDL権のコード番号だけ流用するとお得そうであるが、それが可能かどうかは不明である。もし実験できたら報告しよう。

最後に一言。このゲームには難点もあって、それは、ゲーム内の楽曲は、完全にユーザー(=素人)の手作りデータに依存しているので、その完成度もマチマチになってしまうという宿命を背負っている事だ。例えば、人気のDL曲として「残酷な天使のテーゼ」などがヘビロテされているが、素人が聴いても、結構ボカロ部分は酷い出来だと思う。
逆に、もともとボカロ曲だとそれほど違和感は無いような…。

任天堂
大合奏! バンドブラザーズP