解錠師/S・ハミルトン/越前敏弥
以前書評で好評を見かけて借りてみた。
なかなか面白かった。が、各賞受賞歴の惹句から期待したほどではなかったかな。
主人公の少年マイクルは特殊な過去と才能を持つ少年。当初は詳しくは語られない幼少期の悲惨な経験のトラウマで、彼は心因性の失語症と診断されており、一言も話す事が出来ない。しかしもちろん、彼の心の独白は一人称で雄弁に語られる。その辺りの雰囲気がハードボイルドっぽい感じか。同じ事件で両親を失った彼は伯父に引き取られ育つ。施設を経て高校へ通い出した彼は2つのものに出会う。
一つは、絵。そしてもう一つは、開錠。つまりカギ開けのテクニックである。
そしてこの2つが因果のようにマイクルを一人の少女に巡り合わせる。卒業パーティのランチキに巻き込まれて、得意の開錠をせがまれ、ある屋敷に忍び込む羽目になったマイクルは、その屋敷の娘の部屋で、彼女の描いた絵を見て心を鷲掴まれる。
こうして、ボーイミーツガールの青春ストーリーに加え、どんどん巻き込まれていく裏の世界での金庫破りとしての仕事をハードボイルドに描いたミステリ調で物語は展開する。
徐々に明らかにされるマイクルの過去。二つの時間軸を行き来しながら語られるクライム&青春劇が、程よい疾走感を醸している。
マイクルとアメリアが、交換日記ならぬ交換マンガで互いの心情にふれあうシーンはなかなか良い。
金庫破りの作業を克明に、その作業者の心情を軸に掘り下げる描写も素晴らしい。
マイクルの過去や、それを踏まえた結末などが今ひとつかな、という印象なのが惜しい点か。雰囲気重視の人なら十分楽しめるだろう。
S・ハミルトン/越前敏弥
解錠師
なかなか面白かった。が、各賞受賞歴の惹句から期待したほどではなかったかな。
主人公の少年マイクルは特殊な過去と才能を持つ少年。当初は詳しくは語られない幼少期の悲惨な経験のトラウマで、彼は心因性の失語症と診断されており、一言も話す事が出来ない。しかしもちろん、彼の心の独白は一人称で雄弁に語られる。その辺りの雰囲気がハードボイルドっぽい感じか。同じ事件で両親を失った彼は伯父に引き取られ育つ。施設を経て高校へ通い出した彼は2つのものに出会う。
一つは、絵。そしてもう一つは、開錠。つまりカギ開けのテクニックである。
そしてこの2つが因果のようにマイクルを一人の少女に巡り合わせる。卒業パーティのランチキに巻き込まれて、得意の開錠をせがまれ、ある屋敷に忍び込む羽目になったマイクルは、その屋敷の娘の部屋で、彼女の描いた絵を見て心を鷲掴まれる。
こうして、ボーイミーツガールの青春ストーリーに加え、どんどん巻き込まれていく裏の世界での金庫破りとしての仕事をハードボイルドに描いたミステリ調で物語は展開する。
徐々に明らかにされるマイクルの過去。二つの時間軸を行き来しながら語られるクライム&青春劇が、程よい疾走感を醸している。
マイクルとアメリアが、交換日記ならぬ交換マンガで互いの心情にふれあうシーンはなかなか良い。
金庫破りの作業を克明に、その作業者の心情を軸に掘り下げる描写も素晴らしい。
マイクルの過去や、それを踏まえた結末などが今ひとつかな、という印象なのが惜しい点か。雰囲気重視の人なら十分楽しめるだろう。