孤独の価値/森博嗣 | 読んだり観たり聴いたりしたもの

孤独の価値/森博嗣

割と新しめの本か。妻が見つけて借りていたのでついでに読む。
新書かつ内容に重複多いので小一時間でさっと目を通せば十分な内容かと。
前エントリを書いた「自分探しと楽しさについて」と同様、若者向け励まし説教シリーズ。
孤独を恐れ孤独に悩む若人に、その価値を説き、孤独の活かし方を伝授する。
曰く、孤独に過敏となり過度に忌み嫌うのは、商業主義社会がその利潤のために喧伝する、孤独でない状態に価値があるとするメッセージが溢れた世間に慣れ切っているためである。孤独は忌むべきものでは無く、むしろ人間らしい活動の根幹をなすものであり、楽しみであり、わざわざ求めるに足る価値のあるものでさえあるのだ。孤独を寂しく辛く思う心情のメカニズムは、つまるところ生と死とを揺らぐ原始的感情の微分による自己比較に過ぎない。すなわち寂しく思う気持ちがあるという事は、すなわち生死を俯瞰する感情のダイナミズムが存在する事であり、それは逆の山では生きる喜びを与える振幅となる。孤独を避けて目をそらし振幅のない人生は喜びもまた小さなものとなるだろう。どうしても孤独に悩む人は具体的には次の3つをせよ。それは、1.詩作。2.研究活動。3.無意味で無益な事。云々。

とまあ、内容的には至極真っ当な内容で、それゆえ意外性がない分、割と実践的で、良心的な構成だなあと感じた。
ほんと森さんは丸くなったね。

一言だけ感想を書くなら、物心ついたときからSNSやLINEやTwitterがあるような若い人は本当に可哀想だと思う。こんながんじがらめのコミュニケーション監視社会で生きていかなければならないなんて。未成年にはこうしたツールの使用を禁じる法整備を進めるべきだ。すくなくとも校則で禁じるべきだ。実効性の問題ではなく、残念だけど禁止だからできないんだよ、とコミュニケーションから逃げたい人の言い訳を言えるようにしてあげるべきである。

森ファン的には、あまりツボはないなあというところで星2つか。


森博嗣
孤独の価値