3DS/にかくでスッシー/アークシステムワークス
年末年始セールで100円だったのでDLしたパズルゲーム。
平たく言えば、麻雀牌の代わりに寿司ネタグラフィクスでプレイする四川省(二角取りパズル)。
四川省とは、並べた麻雀牌をルールに従って取り除いていくパズルゲームだ。よく似たゲームにもっと有名な上海があるが、あれとは若干ルールが異なる。
二角取りでは、名前通り、牌の四辺から水平垂直に線を延ばし、他の牌にぶつからず、2回だけ直角に曲がって、同じ絵柄の牌にたどり着けば、その2牌を取り除ける、というルールである。鬼トレにも二角消去というタイトルで収録されている。
麻雀パイは、34種類+花だが、スッシーは、寿司ネタ12種類×皿の色違い2種の24種類でプレイする。また、このほかに、特殊アイテム牌として、アガリ、赤だし、ケーキの3種が出るステージもあり合計27種類か。牌の並びは、最大で横12×縦8 = 96個。やはり18×8=144個でプレイする四川省よりこじんまり。プレイフィールも四川省よりかなり簡単な印象。その代わり、こちらのゲーム性の中心はタイムアタックとなっているわけだが。
特殊アイテムは消すと効果発動。
アガリ(お茶) … 隣接したネタを大量に一斉消去。いわゆるボム。
赤だし … しばらく時間ストップ
ケーキ … しばらくの間、オートヒント機能(取れる牌がハイライトされる)
ついでにシステム説明をしておこう。
基本的には、持ち時間内に画面全ての寿司ネタ牌を消せば面クリア。160秒もってスタートし、クリア時にはタイム加算80秒。持ち時間を使い切るとゲームオーバー。
ゲーム画面と設定は寿司屋という事で、下画面に1貫の寿司の牌が最大横12×縦8にずらっと並び、上画面には、寿司屋にやってくる客がカウンターに座るグラフィック。消した寿司は2貫セットとなって、客に出され、客が食べることでスコア=売り上げが上がる仕組み。数秒待っても寿司が来ないと客は帰ってしまい、次の客がやってくる。どんどん消してどんどん寿司を出し同じ客に連続で寿司を食べさせるとコンボ状態となりボーナスが入る。また、客は何故か自分の好きな寿司ネタのかぶり物をしているので、そのネタを出すと得点アップ。
ゲームモードは、ストーリーモードとフリーモードの2つだけ。
ストーリーは、大して意味の無い内容なのでさくっとXボタンでスキップすれば良いだろう。よく分からないが、前作に当たる作品から背景を引き継いでおり、寿司職人スッシーが売り上げ増を頑張る話で、師匠のロボ寿司職人が登場して商売繁盛に向けて尻を叩かれるという…。
全10ステージのストーリーモードには、ステージ毎に「30コンボ達成せよ」など特定の条件を満たすと得られるボーナスが設定されており、ちょっとしたアクセントで楽しめる。
一方のフリーモードは、全100ステージを淡々と連戦するモード。3回までのヒント機能がある。アイテムあり面とアイテム無し面が交互にやってくるので、アイテムでどれだけ稼いでおけるかがポイントだろう。
ストーリーモードにはコンティニュー(スコアリセット)があるが、フリーモードには無い。
とりあえずちょこっとプレイして見た。四川省は割合得意なので、すいすいプレイできた。ストーリーモードを2,3回ほどクリア。サクサクプレイでき、ノーミスだとクリアまで20分そこそこ。定価400円のDLゲーならこんなものだろう。フリーモードは数回ほどプレイしたが、40数ステージであえなくゲームオーバー。ハイスコアは800万点ちょっとだった。慣れないと100面クリアは結構難しいかも。
評価点など。
まず、基本となる、牌のタッチなどの操作感は非常に良好である。タッチの判定とタッチの記憶スタックは十分に快適な印象だ。このゲームでは、如何に早く消すか、という点が評価の全てである。間違いタッチによる減点等は無いので、マシンガンのようにひたすらタッチしまくるのがプレイスタイルとなる。特に終盤ラッシュで秒間数個以上という速度でタッチし、それらが全て認識されてバリバリ消えていく感触は、エフェクト等を含めて非常に爽快感がある作りに仕上がっている。
また、個人的には二角消去の最大の欠点はタイム計測がない点だったので、常に時間との闘いとなるこのゲームはそうした欲求を十二分に満たすものだ。
ともかく、この操作感の爽快感だけでこのゲームの定価分の価値は余裕で満たしているものと思われる。
上手い人なら常にマシンガンのように画面をタッチし続けるプレイスタイルのため、コンボは常に入り続けるのが基本となり、あまり意味が無いシステムだろう。また、下画面を注視して上画面など見る暇無いので、客の好みのネタなど見ている暇は無い。よってこのギミックもあまり意味が無い。
「あと10秒」などのテロップや牌消去のエフェクトが下画面の牌の上に表示されるので、一瞬その後ろの牌が見えなくなってしまい、非常にイラッと来る。これは止めて欲しかった点だ。
アガリ、赤だし、ケーキのギミック牌も、多すぎず少なすぎず、ほどよいアクセントとなるバランスで、まさに口直しや箸休めといった印象。効果は絶大なので、ここでぐっと稼いでおく必要があり、戦略性も増している。
モードや機能は貧弱だ。
ストーリーモードは好きなステージだけ遊ぶことはできないし、100戦もさせるフリーモードでは中断セーブが無い。フリーモードでは、普通1面クリアに1~1分30秒ほど掛かるので、100面クリアには最低でも100~150分は掛かってしまう。2時間半集中し続けるのはさすがにキツイので、できれば途中で中断したいところだ。もちろんポーズはあるし本体を閉じればスリープするが、その間にすれちがいもバッジも他のゲームもするなというは辛い仕打ちだろう。
次に本題のゲーム性について。
このゲームでは寿司ネタのグラフィクスについての酷評を散見するが、私は、これはこれでバランスが取れていると考える。
説明しよう。
このゲームでは、色違いの皿で牌種を水増ししている。同じグラフィクスの同じ寿司ネタであっても皿の色が違うと取れないので、うっかり間違うことが多く、爽快感を減じ、むやみに難易度を上げ、手抜き仕事でゲームとしてのバランスを破壊している、という意見が多々あるのだ。
たしかに、皿の色違いのネタは間違えやすい。難易度も上がっているだろう。それらについては同意する。
しかし、これは意図して設定されたバランスだと思われる。
もしも、全く個別のグラの識別しやすいネタで24種のセットを作った場合、多分、ゲームが簡単になりすぎるだろう。一目で分かるネタ牌を選んでタッチしていくだけの、つまらない作業ゲームに堕するだろう。いわゆる、目だけでできるゲームになってしまう。
人間の視界の内、図形を明瞭に認識できるのは中央の僅かなエリアのみで、視界の周辺は、ぼんやりとしか認識できないことは、誰しも知っているだろう。知らない人は今確認すると良い。この段落の文章の頭、「人」の漢字を注視しながら、視線を動かさずに、右にどこまでの範囲の文字が明瞭に認識できるか試してみよう。表示機器の文字サイズや画面までの距離にもよるが、私の場合、「図形」を超えたらもはや黒いグネグネとした塊としか見えない。
したがって、この段落から同じ文字をペアで選び出せ、と言われたら、結構難しい作業になる訳だ。一文字ずつ視線を這わせながら、既に見た文字かどうかを判断し続けることになる。
しかし、もし、全ての文字が個別の色付で、同じ文字は同じ色で表示してあったらどうだろう。作業は格段に楽になるだろう。なぜなら、ものをはっきりとは識別できない視界の端であっても、色ははっきりと見えるからだ。
スッシーで採用されている、同じネタグラで、皿(グラフィクスの周囲数ドットの枠線)だけが赤と青という違いは、注視すれば明らかに認識できるが、視界の端では、ネタの色彩が認識を引っ張るので、赤と青の皿の色違いは判別しづらい。
お分かりだろうか。
つまり、スッシーの寿司ネタ牌は、パッと見の瞬間の判断だけではプレイできず、素早くプレイしようとすれば、見た牌と位置を「覚えて」おく必要があるように設計されているだ。
このほかにも、視界の端で混同しやすいものとして、
・マグロとイクラは赤ベース
・イカとタコ、エビとタイは白ベース
・タコとエビとタイはピンクベース
・タマゴとウニは黄色ベース
・サケとアナゴは茶系ベース
・サケとマグロは暖色ベース
・鉄火とカッパは海苔の黒ベース
・鉄火とイクラは赤黒ベース
というように色彩と図案が設計されている。
さて、ここで翻って本家の四川省や上海を考えてみよう。
果たして、麻雀牌は個別に識別しやすいだろうか?視界の端で、二萬と三萬を区別できるだろうか?四竹と六竹を見分けられるだろうか?
そうなのである。
麻雀牌のデザインも、そもそも、「はっきりとは見分けにくい」デザインを含んでいるのである。そして、そうしたデザインだからこそ、四川省や上海、というゲームが素晴らしいバランスで成立するのである。
以上を整理すると、スッシーや四川省のプレイ方法は下記のようになる。
1)初心者:ある牌を見て覚え、次に、配置を順に眺めながら同じ牌を探して取れるかどうかチェックする
2)中級者:視線を動かして配置を眺めて記憶しながら、記憶した牌位置とペアになって消せる牌があるかチェックする
3)上級者:2)を行いながら、手詰まりを避け、ボトルネックを解消し、アイテムを取れるといった、有利になるペアを取るために排除すべき牌を取れるか重点的にチェックする
4)さらに上級者:有利になるペアを取るために排除すべき牌を取るために排除すべき牌を取るために排除すべき牌を…取れるかチェックする
ここで1)は線形探索のため、O(n)の時間が掛かるのに対し、2)はハッシュ探索なのでO(1)となるだろう。つまり、2)ができるようになるとぐっとスコアが上がる。そして、そこからさらにどれだけ上がれるかがこのゲームの勝負ポイントなのである。
しかし、もしここで牌の認識が良すぎると、1)の探索が線形では無くO(1)の瞬時把握となってしまい、誰にでもできる、手を動かす速さだけで勝負が決まるゲームになってしまうだろう。もちろん、そういうゲームがあっても構わないが、私が遊びたいものとは違う、と言う事だ。
格好良く上級者などと書いてはいるが、見た牌の位置を全部覚えられる訳が無い。7つと言われるワーキングメモリの容量をフル活用でやりくりしながら記憶し、どんどんと変化する盤面の中でぼんやりとした視界の端でも目で瞬間マッチできる牌を探しつつ、脳を絞るようにしてのたうち回ってプレイするのである。
難しすぎると探索に時間が掛かりすぎて進展が止まりドライブ感が出ない。
簡単すぎると、目で消すだけのテクニック不要のゲームになる。
意図してか結果としてかは分からないが、こうしたプレイ感の醸造には、非常にバランスよく設計された牌デザインであることは間違いないのである。
アガリを取ると、周囲の寿司ネタがランダムに大量に消える。この爽快感が中々素晴らしい。スッシーでは盤上の牌が少なければ少ないほど難易度は下がる。従って、アガリを含む面なら、どれだけ初期にアガリを消せるかが重要なポイントだ。アガリは隣接したりしてかなり取りやすい配置で出てくることが多いのだが、離れて埋まっていることもある。そうした場合に如何にそこを掘り進めてアガリボムを打ち上げるか、ルーティンの消し作業をガンガン行いながら同時に脳の別の場所をフル回転させてルートを探し、ルート掘削に必要なボトルネック牌をどうやって消すか、脳内に別スレッドを立てるようにして対処する感覚が好きだ。
そしてアガリが炸裂し、ネタ牌が大量消滅して、残った盤面。ガラッと変わってしまった状態に、これまでの記憶がほとんど役立たなくなり、何を取って良いか分からなくなって一瞬手が止まる。展開の流れがぶった切られるので、ほとんど隣り合ってるような牌であってもまた一から探さないと分からない。しかし、実態としては少数の牌のみのスカスカ状態となっているので、一瞬止まった後、早急に盤面を把握し、ぐんと加速して消してゆける。この加速感も好きだ。
実績システムもあるし、なにより、フリーの100面クリアを目指して頑張ってみようと思う。
進展があればまた書こう。
アークシステムワークス
にかくでスッシー
平たく言えば、麻雀牌の代わりに寿司ネタグラフィクスでプレイする四川省(二角取りパズル)。
四川省とは、並べた麻雀牌をルールに従って取り除いていくパズルゲームだ。よく似たゲームにもっと有名な上海があるが、あれとは若干ルールが異なる。
二角取りでは、名前通り、牌の四辺から水平垂直に線を延ばし、他の牌にぶつからず、2回だけ直角に曲がって、同じ絵柄の牌にたどり着けば、その2牌を取り除ける、というルールである。鬼トレにも二角消去というタイトルで収録されている。
麻雀パイは、34種類+花だが、スッシーは、寿司ネタ12種類×皿の色違い2種の24種類でプレイする。また、このほかに、特殊アイテム牌として、アガリ、赤だし、ケーキの3種が出るステージもあり合計27種類か。牌の並びは、最大で横12×縦8 = 96個。やはり18×8=144個でプレイする四川省よりこじんまり。プレイフィールも四川省よりかなり簡単な印象。その代わり、こちらのゲーム性の中心はタイムアタックとなっているわけだが。
特殊アイテムは消すと効果発動。
アガリ(お茶) … 隣接したネタを大量に一斉消去。いわゆるボム。
赤だし … しばらく時間ストップ
ケーキ … しばらくの間、オートヒント機能(取れる牌がハイライトされる)
ついでにシステム説明をしておこう。
基本的には、持ち時間内に画面全ての寿司ネタ牌を消せば面クリア。160秒もってスタートし、クリア時にはタイム加算80秒。持ち時間を使い切るとゲームオーバー。
ゲーム画面と設定は寿司屋という事で、下画面に1貫の寿司の牌が最大横12×縦8にずらっと並び、上画面には、寿司屋にやってくる客がカウンターに座るグラフィック。消した寿司は2貫セットとなって、客に出され、客が食べることでスコア=売り上げが上がる仕組み。数秒待っても寿司が来ないと客は帰ってしまい、次の客がやってくる。どんどん消してどんどん寿司を出し同じ客に連続で寿司を食べさせるとコンボ状態となりボーナスが入る。また、客は何故か自分の好きな寿司ネタのかぶり物をしているので、そのネタを出すと得点アップ。
ゲームモードは、ストーリーモードとフリーモードの2つだけ。
ストーリーは、大して意味の無い内容なのでさくっとXボタンでスキップすれば良いだろう。よく分からないが、前作に当たる作品から背景を引き継いでおり、寿司職人スッシーが売り上げ増を頑張る話で、師匠のロボ寿司職人が登場して商売繁盛に向けて尻を叩かれるという…。
全10ステージのストーリーモードには、ステージ毎に「30コンボ達成せよ」など特定の条件を満たすと得られるボーナスが設定されており、ちょっとしたアクセントで楽しめる。
一方のフリーモードは、全100ステージを淡々と連戦するモード。3回までのヒント機能がある。アイテムあり面とアイテム無し面が交互にやってくるので、アイテムでどれだけ稼いでおけるかがポイントだろう。
ストーリーモードにはコンティニュー(スコアリセット)があるが、フリーモードには無い。
とりあえずちょこっとプレイして見た。四川省は割合得意なので、すいすいプレイできた。ストーリーモードを2,3回ほどクリア。サクサクプレイでき、ノーミスだとクリアまで20分そこそこ。定価400円のDLゲーならこんなものだろう。フリーモードは数回ほどプレイしたが、40数ステージであえなくゲームオーバー。ハイスコアは800万点ちょっとだった。慣れないと100面クリアは結構難しいかも。
評価点など。
まず、基本となる、牌のタッチなどの操作感は非常に良好である。タッチの判定とタッチの記憶スタックは十分に快適な印象だ。このゲームでは、如何に早く消すか、という点が評価の全てである。間違いタッチによる減点等は無いので、マシンガンのようにひたすらタッチしまくるのがプレイスタイルとなる。特に終盤ラッシュで秒間数個以上という速度でタッチし、それらが全て認識されてバリバリ消えていく感触は、エフェクト等を含めて非常に爽快感がある作りに仕上がっている。
また、個人的には二角消去の最大の欠点はタイム計測がない点だったので、常に時間との闘いとなるこのゲームはそうした欲求を十二分に満たすものだ。
ともかく、この操作感の爽快感だけでこのゲームの定価分の価値は余裕で満たしているものと思われる。
上手い人なら常にマシンガンのように画面をタッチし続けるプレイスタイルのため、コンボは常に入り続けるのが基本となり、あまり意味が無いシステムだろう。また、下画面を注視して上画面など見る暇無いので、客の好みのネタなど見ている暇は無い。よってこのギミックもあまり意味が無い。
「あと10秒」などのテロップや牌消去のエフェクトが下画面の牌の上に表示されるので、一瞬その後ろの牌が見えなくなってしまい、非常にイラッと来る。これは止めて欲しかった点だ。
アガリ、赤だし、ケーキのギミック牌も、多すぎず少なすぎず、ほどよいアクセントとなるバランスで、まさに口直しや箸休めといった印象。効果は絶大なので、ここでぐっと稼いでおく必要があり、戦略性も増している。
モードや機能は貧弱だ。
ストーリーモードは好きなステージだけ遊ぶことはできないし、100戦もさせるフリーモードでは中断セーブが無い。フリーモードでは、普通1面クリアに1~1分30秒ほど掛かるので、100面クリアには最低でも100~150分は掛かってしまう。2時間半集中し続けるのはさすがにキツイので、できれば途中で中断したいところだ。もちろんポーズはあるし本体を閉じればスリープするが、その間にすれちがいもバッジも他のゲームもするなというは辛い仕打ちだろう。
次に本題のゲーム性について。
このゲームでは寿司ネタのグラフィクスについての酷評を散見するが、私は、これはこれでバランスが取れていると考える。
説明しよう。
このゲームでは、色違いの皿で牌種を水増ししている。同じグラフィクスの同じ寿司ネタであっても皿の色が違うと取れないので、うっかり間違うことが多く、爽快感を減じ、むやみに難易度を上げ、手抜き仕事でゲームとしてのバランスを破壊している、という意見が多々あるのだ。
たしかに、皿の色違いのネタは間違えやすい。難易度も上がっているだろう。それらについては同意する。
しかし、これは意図して設定されたバランスだと思われる。
もしも、全く個別のグラの識別しやすいネタで24種のセットを作った場合、多分、ゲームが簡単になりすぎるだろう。一目で分かるネタ牌を選んでタッチしていくだけの、つまらない作業ゲームに堕するだろう。いわゆる、目だけでできるゲームになってしまう。
人間の視界の内、図形を明瞭に認識できるのは中央の僅かなエリアのみで、視界の周辺は、ぼんやりとしか認識できないことは、誰しも知っているだろう。知らない人は今確認すると良い。この段落の文章の頭、「人」の漢字を注視しながら、視線を動かさずに、右にどこまでの範囲の文字が明瞭に認識できるか試してみよう。表示機器の文字サイズや画面までの距離にもよるが、私の場合、「図形」を超えたらもはや黒いグネグネとした塊としか見えない。
したがって、この段落から同じ文字をペアで選び出せ、と言われたら、結構難しい作業になる訳だ。一文字ずつ視線を這わせながら、既に見た文字かどうかを判断し続けることになる。
しかし、もし、全ての文字が個別の色付で、同じ文字は同じ色で表示してあったらどうだろう。作業は格段に楽になるだろう。なぜなら、ものをはっきりとは識別できない視界の端であっても、色ははっきりと見えるからだ。
スッシーで採用されている、同じネタグラで、皿(グラフィクスの周囲数ドットの枠線)だけが赤と青という違いは、注視すれば明らかに認識できるが、視界の端では、ネタの色彩が認識を引っ張るので、赤と青の皿の色違いは判別しづらい。
お分かりだろうか。
つまり、スッシーの寿司ネタ牌は、パッと見の瞬間の判断だけではプレイできず、素早くプレイしようとすれば、見た牌と位置を「覚えて」おく必要があるように設計されているだ。
このほかにも、視界の端で混同しやすいものとして、
・マグロとイクラは赤ベース
・イカとタコ、エビとタイは白ベース
・タコとエビとタイはピンクベース
・タマゴとウニは黄色ベース
・サケとアナゴは茶系ベース
・サケとマグロは暖色ベース
・鉄火とカッパは海苔の黒ベース
・鉄火とイクラは赤黒ベース
というように色彩と図案が設計されている。
さて、ここで翻って本家の四川省や上海を考えてみよう。
果たして、麻雀牌は個別に識別しやすいだろうか?視界の端で、二萬と三萬を区別できるだろうか?四竹と六竹を見分けられるだろうか?
そうなのである。
麻雀牌のデザインも、そもそも、「はっきりとは見分けにくい」デザインを含んでいるのである。そして、そうしたデザインだからこそ、四川省や上海、というゲームが素晴らしいバランスで成立するのである。
以上を整理すると、スッシーや四川省のプレイ方法は下記のようになる。
1)初心者:ある牌を見て覚え、次に、配置を順に眺めながら同じ牌を探して取れるかどうかチェックする
2)中級者:視線を動かして配置を眺めて記憶しながら、記憶した牌位置とペアになって消せる牌があるかチェックする
3)上級者:2)を行いながら、手詰まりを避け、ボトルネックを解消し、アイテムを取れるといった、有利になるペアを取るために排除すべき牌を取れるか重点的にチェックする
4)さらに上級者:有利になるペアを取るために排除すべき牌を取るために排除すべき牌を取るために排除すべき牌を…取れるかチェックする
ここで1)は線形探索のため、O(n)の時間が掛かるのに対し、2)はハッシュ探索なのでO(1)となるだろう。つまり、2)ができるようになるとぐっとスコアが上がる。そして、そこからさらにどれだけ上がれるかがこのゲームの勝負ポイントなのである。
しかし、もしここで牌の認識が良すぎると、1)の探索が線形では無くO(1)の瞬時把握となってしまい、誰にでもできる、手を動かす速さだけで勝負が決まるゲームになってしまうだろう。もちろん、そういうゲームがあっても構わないが、私が遊びたいものとは違う、と言う事だ。
格好良く上級者などと書いてはいるが、見た牌の位置を全部覚えられる訳が無い。7つと言われるワーキングメモリの容量をフル活用でやりくりしながら記憶し、どんどんと変化する盤面の中でぼんやりとした視界の端でも目で瞬間マッチできる牌を探しつつ、脳を絞るようにしてのたうち回ってプレイするのである。
難しすぎると探索に時間が掛かりすぎて進展が止まりドライブ感が出ない。
簡単すぎると、目で消すだけのテクニック不要のゲームになる。
意図してか結果としてかは分からないが、こうしたプレイ感の醸造には、非常にバランスよく設計された牌デザインであることは間違いないのである。
アガリを取ると、周囲の寿司ネタがランダムに大量に消える。この爽快感が中々素晴らしい。スッシーでは盤上の牌が少なければ少ないほど難易度は下がる。従って、アガリを含む面なら、どれだけ初期にアガリを消せるかが重要なポイントだ。アガリは隣接したりしてかなり取りやすい配置で出てくることが多いのだが、離れて埋まっていることもある。そうした場合に如何にそこを掘り進めてアガリボムを打ち上げるか、ルーティンの消し作業をガンガン行いながら同時に脳の別の場所をフル回転させてルートを探し、ルート掘削に必要なボトルネック牌をどうやって消すか、脳内に別スレッドを立てるようにして対処する感覚が好きだ。
そしてアガリが炸裂し、ネタ牌が大量消滅して、残った盤面。ガラッと変わってしまった状態に、これまでの記憶がほとんど役立たなくなり、何を取って良いか分からなくなって一瞬手が止まる。展開の流れがぶった切られるので、ほとんど隣り合ってるような牌であってもまた一から探さないと分からない。しかし、実態としては少数の牌のみのスカスカ状態となっているので、一瞬止まった後、早急に盤面を把握し、ぐんと加速して消してゆける。この加速感も好きだ。
実績システムもあるし、なにより、フリーの100面クリアを目指して頑張ってみようと思う。
進展があればまた書こう。