鉄子の旅写真日記/矢野直美 | 読んだり観たり聴いたりしたもの

鉄子の旅写真日記/矢野直美

鉄子の旅を読み終わって興味を持って手にしてみた。漫画にも出てきたライター矢野さんの本である。
鉄道一人旅として章立てて各地をめぐり、少なめの文章とかなりの分量の写真が載っている。

鉄道での一人旅、を語る本ではなく、鉄道での一人旅をする私、をゆったりと見つめ、その有様を紹介する本だろう。そこでは鉄道旅が極度に抽象化されてしまっている。大切なのはディティールではない、という訳だ。だから男性の鉄道好きには受けず、どちらかというと女性向けの気がする。

時々、ちょっと良い写真もあるが、基本的にはあまり上手くない。ピントが甘くぶれているのも、味と言えば味だが、出版する程のものかね、俺でも撮れるよ。と、そう思わせるのが作戦なのだろう。きっと狙い通りである。

逆に、文章は、かなりプロ。一見すごく平易にさらさらと書いているように見えて、凄まじい推敲のあとが伺える。思いつくまま感性のまま書きました、と見えるようにきっちり計算して書いてあってビックリした。でも悪くはないと思う。

矢野直美
鉄子の旅写真日記