なにわの海の時空館/住之江区
いよいよ来週10日で閉館となってしまうので、最後に見てきた。
自宅の直ぐそばである。公園に隣接して建てられているので、この十年程、外観は何度と無く眺めているが、実は入館するのは初めてだった。妻は開館当時に一度見に行っている。
展示内容は、大阪の海運の歴史、といったテーマが中心で、その目玉は、本館中央に鎮座する、現代によみがえった菱垣廻船の威容であろう。海外での受賞歴もある総ガラス張りドームの建屋を合わせ、総工費180億円というプロジェクトである。バブルが弾けたあとの99年頃と言うが、たしかになかなかの羽振りであると言わざるを得ないだろう。入館者は伸び悩み経費がかさんで近年は毎年3億の赤字だという。
しかし、展示内容は予想外に面白かった。精巧なジオラマが多くなかなか興味深い。特に帆船など船舶の模型はかなりレベルが高く、金掛かってんなーと感心しきりだった。予算削減のためか、案内員は皆無で、勝手に見回れという方式だったが、むしろ気軽な感じで良かった。ただ、十年前に妻が出会ったという、いなせな緊褌姿で菱垣廻船に乗り込んで威勢良く解説をしてくれるという「ふんどし先生」は、ぜひ見てみたいものだったが、多分そうそうにリストラされたであろうその勇姿を拝む事が叶わなかったのは残念である。
さて、閉館後の行方であるが、多分、全部スクラップだろう。移動できる模型などはそこそこの値で売却できると思うが、中央に鎮座する菱垣廻船はガラスドームを解体しないと取り出せず、その工費は5億円と言われる。船舶工業会などが保存を求めたと言うが、市長の回答は「じゃあ買ってよ」とつれないものであったという。保存は諦め、内部で解体すれば出入り口から撤去できるだろうが、それでもかなりの費用が見込まれる。菱垣廻船の展示に特化した特殊な回廊構造は他用途への転用も難しく、つまりユニークなガラスドーム建築を活かしてリニューアルし新規ビジネス展開を図る事も困難で、事実、応募はゼロだったという。180億円を掛けたプロジェクトは、こうして文字通り海の藻屑へと成り果てると思われる。館内展示での菱垣廻船復元プロジェクトの紹介ビデオが結ぶ。「…(実証航海を終え)こうして時空館に収まった菱垣廻船は、永遠に保存される事になったのです」。端から永遠は無理だったとしても10年ちょっとは短すぎて哀れではある。
妥協案として、菱垣廻船はそのままで、周囲だけリニューアルして何かに使えないだろうか。そこで思いつくのが、コスプレである。元々南港はレイヤーさんが多く訪れるスポットである。実際、この日も時空館の内と言わず外と言わず、写真を撮りまくるレイヤーさんが多数いた。これを呼び込んだら何とか維持費がペイしないか。
菱垣廻船は甲板や内部に入れる展示なので、和洋の違いに少々目をつむればワンピースなど木造船舶を映し込んだらさまになるコスプレの撮影に向いているだろう。周囲の回廊は展示を全部撤去し、いろんなシチュエーションのセットを組んだエリアを設ける。例えば「学校」でも、教室、体育館、テニスコート、校門などレイヤーさんの嗜好を研究して多数設置するのだ。
館内はガラスドームのため、屋内であっても日当たりは最高。光量が豊富なので写真撮影には最適だろう。もちろん風雨の影響を受けないので、衣装などにダメージを受ける事もない。館外は海沿いで、芝生も公園もある。水平線や夕焼け空など外部の雰囲気が欲しい時には外で撮ればいいだろう。入館はパスポート方式にして、1日出入り自由にしたらそれぞれ好きに移動できるだろう。定期的にコンテストや大会を催せば人が集まるだろう。衣装制作やヘアセット、化粧などの講座を1Fのワークショップエリアで行うのも良いだろう。
今ちょっと大阪市の報告書を見てきたが、21年度収支ベースで、年間入館者10万人で、一人あたりコストが3000円となっている。入館料は600円なので無論赤字である。10万人というと週あたり2000人だ。コスプレ人口の実体が分からないので、少々不安ではあるが、週二千人の集客なら可能な気がする。土日が8割として休日の一日で800人。4階建てなので各フロア200人はキャパ的には問題無いだろう。それで客単価3000円なら入館料と飲食、物販、サービス提供で結構現実的だと思うがどうだろうか。菱垣廻船ではとても3000円は取れない事は明らかだが、コスプレなら払えない額ではない。その代わり、徹底的にレイヤーさんの利便を図るようリニューアルするのである。コスプレ施設では日本一、という勢いで営業すれば、結構いけそうに思えてきた。
船舶や海運の展示は全撤去してしまうが、折角の復元した菱垣廻船だけは死守できる、という点で船舶工業会も妥協するしかないだろう。
BIGが当たったら全額注ぎ込んで本気でやってみても良いと思うな。
自宅の直ぐそばである。公園に隣接して建てられているので、この十年程、外観は何度と無く眺めているが、実は入館するのは初めてだった。妻は開館当時に一度見に行っている。
展示内容は、大阪の海運の歴史、といったテーマが中心で、その目玉は、本館中央に鎮座する、現代によみがえった菱垣廻船の威容であろう。海外での受賞歴もある総ガラス張りドームの建屋を合わせ、総工費180億円というプロジェクトである。バブルが弾けたあとの99年頃と言うが、たしかになかなかの羽振りであると言わざるを得ないだろう。入館者は伸び悩み経費がかさんで近年は毎年3億の赤字だという。
しかし、展示内容は予想外に面白かった。精巧なジオラマが多くなかなか興味深い。特に帆船など船舶の模型はかなりレベルが高く、金掛かってんなーと感心しきりだった。予算削減のためか、案内員は皆無で、勝手に見回れという方式だったが、むしろ気軽な感じで良かった。ただ、十年前に妻が出会ったという、いなせな緊褌姿で菱垣廻船に乗り込んで威勢良く解説をしてくれるという「ふんどし先生」は、ぜひ見てみたいものだったが、多分そうそうにリストラされたであろうその勇姿を拝む事が叶わなかったのは残念である。
さて、閉館後の行方であるが、多分、全部スクラップだろう。移動できる模型などはそこそこの値で売却できると思うが、中央に鎮座する菱垣廻船はガラスドームを解体しないと取り出せず、その工費は5億円と言われる。船舶工業会などが保存を求めたと言うが、市長の回答は「じゃあ買ってよ」とつれないものであったという。保存は諦め、内部で解体すれば出入り口から撤去できるだろうが、それでもかなりの費用が見込まれる。菱垣廻船の展示に特化した特殊な回廊構造は他用途への転用も難しく、つまりユニークなガラスドーム建築を活かしてリニューアルし新規ビジネス展開を図る事も困難で、事実、応募はゼロだったという。180億円を掛けたプロジェクトは、こうして文字通り海の藻屑へと成り果てると思われる。館内展示での菱垣廻船復元プロジェクトの紹介ビデオが結ぶ。「…(実証航海を終え)こうして時空館に収まった菱垣廻船は、永遠に保存される事になったのです」。端から永遠は無理だったとしても10年ちょっとは短すぎて哀れではある。
妥協案として、菱垣廻船はそのままで、周囲だけリニューアルして何かに使えないだろうか。そこで思いつくのが、コスプレである。元々南港はレイヤーさんが多く訪れるスポットである。実際、この日も時空館の内と言わず外と言わず、写真を撮りまくるレイヤーさんが多数いた。これを呼び込んだら何とか維持費がペイしないか。
菱垣廻船は甲板や内部に入れる展示なので、和洋の違いに少々目をつむればワンピースなど木造船舶を映し込んだらさまになるコスプレの撮影に向いているだろう。周囲の回廊は展示を全部撤去し、いろんなシチュエーションのセットを組んだエリアを設ける。例えば「学校」でも、教室、体育館、テニスコート、校門などレイヤーさんの嗜好を研究して多数設置するのだ。
館内はガラスドームのため、屋内であっても日当たりは最高。光量が豊富なので写真撮影には最適だろう。もちろん風雨の影響を受けないので、衣装などにダメージを受ける事もない。館外は海沿いで、芝生も公園もある。水平線や夕焼け空など外部の雰囲気が欲しい時には外で撮ればいいだろう。入館はパスポート方式にして、1日出入り自由にしたらそれぞれ好きに移動できるだろう。定期的にコンテストや大会を催せば人が集まるだろう。衣装制作やヘアセット、化粧などの講座を1Fのワークショップエリアで行うのも良いだろう。
今ちょっと大阪市の報告書を見てきたが、21年度収支ベースで、年間入館者10万人で、一人あたりコストが3000円となっている。入館料は600円なので無論赤字である。10万人というと週あたり2000人だ。コスプレ人口の実体が分からないので、少々不安ではあるが、週二千人の集客なら可能な気がする。土日が8割として休日の一日で800人。4階建てなので各フロア200人はキャパ的には問題無いだろう。それで客単価3000円なら入館料と飲食、物販、サービス提供で結構現実的だと思うがどうだろうか。菱垣廻船ではとても3000円は取れない事は明らかだが、コスプレなら払えない額ではない。その代わり、徹底的にレイヤーさんの利便を図るようリニューアルするのである。コスプレ施設では日本一、という勢いで営業すれば、結構いけそうに思えてきた。
船舶や海運の展示は全撤去してしまうが、折角の復元した菱垣廻船だけは死守できる、という点で船舶工業会も妥協するしかないだろう。
BIGが当たったら全額注ぎ込んで本気でやってみても良いと思うな。