もうダマされないための「科学」講義/菊池誠他 | 読んだり観たり聴いたりしたもの

もうダマされないための「科学」講義/菊池誠他

現代文明が科学技術の上に成り立っている事を疑う人はいないだろう。
では、その世界を支える、「科学」とは、何か?
「科学」と「科学でないもの」は、どこが違うのか。

科学の振りをして権威や正当性を主張するエセ科学。科学者でない一般人の科学的なものに接する態度。そしてそれらを左右するメディアの姿勢。こうした我々の生活に直結する科学の領域問題を、4人+αの論客が、それぞれの視点で持論を展開するオムニバス本。

なかなかに根深い問題がある。結局、科学に携わるもの、科学報道に携わるもの、科学の恩恵を受けるもの、の三者が共に思考停止して、努力せず、だれも火中の栗を拾おうとはしない、という点が問題だろう。
問題がない間は問題はない、という態度では、いざ問題が起こった時にあわてふためく事になる。

原発問題にしてもそうだ。安全神話を無邪気に信じていたかと思えば、一転、原発無用のゼロリスク信仰。どう考えても極端すぎる反応だろう。
リスクのない生活はないし、リスクのない人生もない。要はきちんとリスクを知り、把握できる事が重要だ。

こうしたリスク判断は、自分自身の問題であり、誰かに判断してもらう事ではない。もちろんそうした判断のためには、正確な科学知識が欠かせないが、複雑で高度な科学知識を誰しもが理解できる訳ではない。だから、そうした科学知識について誰かが行った判断を、外側から正しく評価できる初歩の科学知識は必須であり今後もますます重要になってくるだろう。

菊池誠
もうダマされないための「科学」講義