花の美女姫 2,3巻/名香智子 | 読んだり観たり聴いたりしたもの

花の美女姫 2,3巻/名香智子

時間がないので簡易メモ。

2巻の劇中劇も集大成としてのインパクトがあったが、何より3巻の展開には驚いた。
もはや美女姫はどこへやら、ソンモールがちろと出たあとは、延々とアンリが主人公。
しかも驚愕の伝奇ロマンへ変貌してしまう。古代マヤへ飛翔してしまったアンリ。そしてそれを追う主人公のパリスとヒロイン、アネモネ。
決してお気楽冒険エピソードではなく、非可塑的な重厚な物語が展開される。
そして各人の身に降りかかる重い結末は、通過儀礼とするにはあまりに過酷である。理由もなく巻き込まれ、翻弄され、過去の日の幸福から遠く引き離されてしまう。人生とは先が見えない暗路である。
宝塚バリの華やかな「舞台」から、これほどシニカルな物語までを読まされた当時の少女の驚愕はいかばかりだっただろうか。
ここまでの振り幅を描くのは、昨今の頭でっかちな若手漫画家には無理じゃなかろうかと思う。

花の美女姫の過去エントリ

名香智子
花の美女姫 2,3巻