カバチタレ!/東風孝広
職場で13巻ぐらいのセットを拾ったので、読んでみた。
最初、青木雄二が描いたのかと思って、確か「ナニワ金融道」1作の筈とびっくりしたが、画風を引き継いだ元アシさんによる作品だった。トーンを使わずビッチリと描き込む濃い画風は本当によく似ているが、キャラの表情がやや甘めな所やキャラポーズにやや動きが見える点は若干個性だろう。
青木雄二が監修として参加している事からも分かるように、内容は、ナニ金とよく似ている。
主人公の田村は底辺のブラック企業を首になり困窮していたところを行政書士の大野に助けられる。何を言っても聞く耳を持たなかった狸社長が、大野の書いた内容証明郵便一本で、不払い給与をあっさり払った事に田村は驚愕する。法律と金と頭は使いよう、という事で、心機一転、転身して大野の事務所で行政書士を目指す田村が、依頼者に報いるため経験を積みながら様々な困難を乗り越えていく話である。原作者は行政書士事務所を持っているとの事で、真実は漫画より奇なりと、業務経験で得た実際のエピソードを多数参考にしているのだろう。
様々な法律や諸手続、行政処分、その他裏社会などの諸々を料理しており、絵柄と相まって独特の魅力がある。また、舞台となるのは広島で、繰り広げられる広島弁による丁々発止の掛け合いも印象深い。なお、カバチタレとは広島弁で屁理屈屋、という事らしい。
結局、自分を助けられるのは自分だけだ、という事がよく分かる漫画である。溺れる者は藁をもつかむというが、藁どころか、差し出された浮き輪に見向きもせず、助けの声に耳も貸さず、助けを求めつつも身勝手に踊り狂って泥沼に沈んでゆく人々の何と愚かな事か。こうして漫画で読めば誰でも分かる。しかし、事自分自身、そして身内の問題になれば、冷静に客観視できる人ばかりではない。法律、金融や行政などの社会知識の有無、それが命運を分ける事も多い。
ところで、主人公始め事務所の面々は八面六臂の活躍であるが、安そうな行政書士の報酬で割が合うのだろうか、という点はかなり疑問だ。
利潤に食いつくナニ金とは違い、そうした活動にコストの上限が存在する中、「人助け」を全面に出した物語展開には若干不自然さが生じるが、作中でも多少はそうした点に突っ込みがあるものの、お話だからと割り切るのは若干無理があるような気がしないでもない。
まあ、気楽に読む分には楽しい漫画である。
手に入れば是非続きを読みたい。続刊が20巻までと、田村が行政書士の資格を取った後の「2」が二十数巻出てさらに現在も連載中らしい。

東風孝広
カバチタレ!
最初、青木雄二が描いたのかと思って、確か「ナニワ金融道」1作の筈とびっくりしたが、画風を引き継いだ元アシさんによる作品だった。トーンを使わずビッチリと描き込む濃い画風は本当によく似ているが、キャラの表情がやや甘めな所やキャラポーズにやや動きが見える点は若干個性だろう。
青木雄二が監修として参加している事からも分かるように、内容は、ナニ金とよく似ている。
主人公の田村は底辺のブラック企業を首になり困窮していたところを行政書士の大野に助けられる。何を言っても聞く耳を持たなかった狸社長が、大野の書いた内容証明郵便一本で、不払い給与をあっさり払った事に田村は驚愕する。法律と金と頭は使いよう、という事で、心機一転、転身して大野の事務所で行政書士を目指す田村が、依頼者に報いるため経験を積みながら様々な困難を乗り越えていく話である。原作者は行政書士事務所を持っているとの事で、真実は漫画より奇なりと、業務経験で得た実際のエピソードを多数参考にしているのだろう。
様々な法律や諸手続、行政処分、その他裏社会などの諸々を料理しており、絵柄と相まって独特の魅力がある。また、舞台となるのは広島で、繰り広げられる広島弁による丁々発止の掛け合いも印象深い。なお、カバチタレとは広島弁で屁理屈屋、という事らしい。
結局、自分を助けられるのは自分だけだ、という事がよく分かる漫画である。溺れる者は藁をもつかむというが、藁どころか、差し出された浮き輪に見向きもせず、助けの声に耳も貸さず、助けを求めつつも身勝手に踊り狂って泥沼に沈んでゆく人々の何と愚かな事か。こうして漫画で読めば誰でも分かる。しかし、事自分自身、そして身内の問題になれば、冷静に客観視できる人ばかりではない。法律、金融や行政などの社会知識の有無、それが命運を分ける事も多い。
ところで、主人公始め事務所の面々は八面六臂の活躍であるが、安そうな行政書士の報酬で割が合うのだろうか、という点はかなり疑問だ。
利潤に食いつくナニ金とは違い、そうした活動にコストの上限が存在する中、「人助け」を全面に出した物語展開には若干不自然さが生じるが、作中でも多少はそうした点に突っ込みがあるものの、お話だからと割り切るのは若干無理があるような気がしないでもない。
まあ、気楽に読む分には楽しい漫画である。
手に入れば是非続きを読みたい。続刊が20巻までと、田村が行政書士の資格を取った後の「2」が二十数巻出てさらに現在も連載中らしい。