旅するウナギ 1億年の時空をこえて/黒木真理 塚本勝巳
一冊丸ごとウナギの本。
長らく謎に包まれていたウナギの産卵について、ようやく世紀の発見があったというニュースはまだ耳に新しいが、そうした発見をきっかけに編まれたのであろう、鰻の博物誌としての集大成と言える書籍である。この身近な魚の生物学的な詳細な解説から始まり、類い希なる食材として世界中でどのような調理や漁の歴史を経てきたか、また文化に与える影響も民芸から絵画文学まで、本当に「鰻」と名の付く事物は全て集めましたという勢いだ。
ほぼ全ページフルカラーの美しい本である。写真集・絵本として眺めるだけでも堪能できる作りだ。
日本人の鰻好きは、多分そうだろうとは思っていたが、ヨーロッパでもかなり親しまれていたというのは知らなかった。確かに、eelと言えば、ゲームでもモンスターとしてしばしば登場する名前である。カルドセプトでは人気クリーチャーの筆頭だし、懐かしいところではハイドライドの水路でさんざ苦しめられた思い出が。
これも知らなかったが、鰻にはかなり寿命の長いものがいるという。男性が自分の背丈より長そうな、非常に太くて巨大な鰻を抱えている写真が載っており、たしかにこれならモンスターに見えるな、と思った。
ちなみに、日本の鰻はマリアナ海溝付近で、ヨーロッパの鰻はサルガッソー海で産卵する。海で育ち川で産卵するサケ類とは逆の回遊性を示し、海で生まれ川や沼で育つのだ。人の生活圏から隔たった場所で産卵するため、つい最近その事実が分かるまで全く謎に包まれていたのである。鰻の卵や生まれたばかりの稚魚を見た者など誰もいなかったため、鰻は泥から生まれる、と欧州では長らく信じられていたほどである。

黒木真理 塚本勝巳
旅するウナギ 1億年の時空をこえて
長らく謎に包まれていたウナギの産卵について、ようやく世紀の発見があったというニュースはまだ耳に新しいが、そうした発見をきっかけに編まれたのであろう、鰻の博物誌としての集大成と言える書籍である。この身近な魚の生物学的な詳細な解説から始まり、類い希なる食材として世界中でどのような調理や漁の歴史を経てきたか、また文化に与える影響も民芸から絵画文学まで、本当に「鰻」と名の付く事物は全て集めましたという勢いだ。
ほぼ全ページフルカラーの美しい本である。写真集・絵本として眺めるだけでも堪能できる作りだ。
日本人の鰻好きは、多分そうだろうとは思っていたが、ヨーロッパでもかなり親しまれていたというのは知らなかった。確かに、eelと言えば、ゲームでもモンスターとしてしばしば登場する名前である。カルドセプトでは人気クリーチャーの筆頭だし、懐かしいところではハイドライドの水路でさんざ苦しめられた思い出が。
これも知らなかったが、鰻にはかなり寿命の長いものがいるという。男性が自分の背丈より長そうな、非常に太くて巨大な鰻を抱えている写真が載っており、たしかにこれならモンスターに見えるな、と思った。
ちなみに、日本の鰻はマリアナ海溝付近で、ヨーロッパの鰻はサルガッソー海で産卵する。海で育ち川で産卵するサケ類とは逆の回遊性を示し、海で生まれ川や沼で育つのだ。人の生活圏から隔たった場所で産卵するため、つい最近その事実が分かるまで全く謎に包まれていたのである。鰻の卵や生まれたばかりの稚魚を見た者など誰もいなかったため、鰻は泥から生まれる、と欧州では長らく信じられていたほどである。