3DS/任天堂2012年度3月期決算説明会
任天堂の決算説明会は社長の岩田節が、さながらいわっち独演会といった印象で毎回楽しみにしており、今回も満喫した。特に質疑応答は語りのうまさと頭のキレを堪能でき楽しさ倍増だ。
ゲームビジネス開始以来初となる通期での赤字は、何ら不安材料ではない。むしろ、ムラがあって当然の娯楽ビジネスで、これまで赤字が無かったという事がどれだけ異常なのか、という事だろう。当たれば大儲け、外れれば赤字、というのが娯楽ビジネスの本質である。赤クロ赤クロ、均せばトントンというのが普通なのであり、クロクロクロという任天堂の打率は異様と言うしかない。
先代の山内社長からの方針により、任天堂は無借金経営で、かつ莫大な余剰利益をストックしている事は有名である。2,3期赤字になっても次で当てれば良い、という方針なのである。
しかも、今回の赤字は、その原因もはっきりしており、また今期での早期解消もはっきり目処が付いているのだ。
ただでさえハード切替期の今と、WiiDSの拡大期とを比して天国から地獄へ、というような巷間の分析は、このビジネスの本質への不理解を露呈したものだ。しかし、スマホやソーシャルに押されて落ち目、というレッテル貼りは分かり易く万人受けするだけに、しばらくは任天堂株は下落が続くだろう。しめしめである。これでまた9000円を割るような事があれば、すかさず任天堂株を購入しよう。
というような経営話はさておき、今回、大きな話題が登場した。それは3DSそしてWiiUでのパッケージソフトのDL販売である。
3DSは8月のNewマリ2から、WiiUはロンチから、任天堂発売の全タイトルは原則としてパッケージとDL版を併売する方針との事である。サード対応はまだ未定だが、とくにデメリットがある話ではないし、多くは対応するだろう。また、その話しぶりから、任天堂の過去作への適用も実施される気配が濃厚である。
原則パッケージとDLを提供と謳いながら、Goの失敗でグダグダのPSPと同じ轍は踏まないよう、サードとはよくよく協議して欲しい。
任天堂らしいというのが、その販路。DL版を小売りにDL引換コードデータとして卸して、小売りで店頭販売するという方策で、これには驚いた。
パッケージとDLは、どちらも一長一短あり、ユーザーによって選択されるべきものであり、ソフトの価値自体に違いがあるものではないから、原則同価格とする、というポリシーには共感する。
が、実体はどうなるであろうか。
DL版の販路としては、1.eショップ直売、2.小売店頭、3.ネット小売の3つが考えられるが、1は定価、2は小売店裁量、そして問題の3であるが、ここではネット特有の限界までの利益の削り合いが繰り広げられるだろう。
ただし、単にAmazonなど大手の提示価格への収斂とはならないだろう。というのは、そもそもDL版を求めるユーザーにとっては即時納入も重要なポイントだからである。大手のちゃんとしたショップでは、16桁のDLコードを印刷した紙を納品するだろう。しかし、16桁コードをメールで即送信、というショップも現れそうである。そうなれば弱小ショップにも目はある。翌日着のAmazonより、少々高くてもメール即納ショップを選ぶ層は薄くないと思うからだ。
在庫が存在しないDL版店頭販売では、在庫調整による値引はない。が、広告宣伝効果を狙っての特売は、十分に考えられる。別途店頭商品購入者に限り、という値引方式なら元々ノーリスクであるDL版での薄利など削っても十分に回収できるだろう。
よって、DL版の価格は、任天堂の狙い通り、実店舗及びネット上で、収斂することなく様々な価格帯が現れる可能性がある。どのような様相を呈すのかとても楽しみである。
しかし、まあ、ユーザー視点からは、価格よりも、その使用感がより重要だ。
なんと言ってもカートリッジを抜き差ししなくて良いDL版の利便性は魅力である。
例えば、「花といきもの立体図鑑」もDL版併売で同時に体験版でプッシュされていたら購入していたかも知れない。
もちろん購入前からは100%の判断はできないものの、よほどの事故がない限りは、長年にわたって遊ぶ事が確実なソフト、例えば、来月発売の「カルドセプト」などは、十分にDL版を検討する価値がある。
実際、既に発売日に購入すべく予約済みであるが、キャンセルしてDL版への切替を検討中である。
しかし、デメリットもあると思うので慎重に検討すべきだろう。
ちなみに、中古屋へ売れない、というDL版の性質は「ゲームを手放す事はない」というポリシーの我が家ではデメリットにはならないが、実体としてのパッケージが存在しない、という点はコレクターとしては大いにデメリットである。しかし、数年~10年後などに、中古のパッケージを安価に回収すれば済む話ではある。ただし、DL版が完全に主流になってしまうと、パッケージは定価以上のプレミアとなる恐れもある。規模が小さく期間が短かくなってゆくであろうワゴンセールでの回収判断が今後はより難しくなるのは必至だ。
本体データと一体で記録されるために分割管理できないセーブデータの扱いも注意が必要であろうが、3DSには、そもそも引越機能があるので、それほど問題はないだろう。むしろ、セーブを含めてバックアップが取れる、という
点は大いにメリットである。
「カルドセプト」で現実的なデメリットとしては、初回限定版の特典などであろうか。この辺はDL対応を含め続報を待ちたい。
その他の話題として、ガチャ課金への牽制は痛快であった。任天堂のポリシーから考えれば当然の反応であるが、ぶつ森ファンなど、胸をなで下ろした向きも多いであろう。
個人的には、ガチャ課金のソーシャルバブルはすぐに吹っ飛ぶと思っている。志の低いメーカーは早く尻馬に乗ってブームともろともにとっとと滅び去って欲しいものだ。
ゲームビジネス開始以来初となる通期での赤字は、何ら不安材料ではない。むしろ、ムラがあって当然の娯楽ビジネスで、これまで赤字が無かったという事がどれだけ異常なのか、という事だろう。当たれば大儲け、外れれば赤字、というのが娯楽ビジネスの本質である。赤クロ赤クロ、均せばトントンというのが普通なのであり、クロクロクロという任天堂の打率は異様と言うしかない。
先代の山内社長からの方針により、任天堂は無借金経営で、かつ莫大な余剰利益をストックしている事は有名である。2,3期赤字になっても次で当てれば良い、という方針なのである。
しかも、今回の赤字は、その原因もはっきりしており、また今期での早期解消もはっきり目処が付いているのだ。
ただでさえハード切替期の今と、WiiDSの拡大期とを比して天国から地獄へ、というような巷間の分析は、このビジネスの本質への不理解を露呈したものだ。しかし、スマホやソーシャルに押されて落ち目、というレッテル貼りは分かり易く万人受けするだけに、しばらくは任天堂株は下落が続くだろう。しめしめである。これでまた9000円を割るような事があれば、すかさず任天堂株を購入しよう。
というような経営話はさておき、今回、大きな話題が登場した。それは3DSそしてWiiUでのパッケージソフトのDL販売である。
3DSは8月のNewマリ2から、WiiUはロンチから、任天堂発売の全タイトルは原則としてパッケージとDL版を併売する方針との事である。サード対応はまだ未定だが、とくにデメリットがある話ではないし、多くは対応するだろう。また、その話しぶりから、任天堂の過去作への適用も実施される気配が濃厚である。
原則パッケージとDLを提供と謳いながら、Goの失敗でグダグダのPSPと同じ轍は踏まないよう、サードとはよくよく協議して欲しい。
任天堂らしいというのが、その販路。DL版を小売りにDL引換コードデータとして卸して、小売りで店頭販売するという方策で、これには驚いた。
パッケージとDLは、どちらも一長一短あり、ユーザーによって選択されるべきものであり、ソフトの価値自体に違いがあるものではないから、原則同価格とする、というポリシーには共感する。
が、実体はどうなるであろうか。
DL版の販路としては、1.eショップ直売、2.小売店頭、3.ネット小売の3つが考えられるが、1は定価、2は小売店裁量、そして問題の3であるが、ここではネット特有の限界までの利益の削り合いが繰り広げられるだろう。
ただし、単にAmazonなど大手の提示価格への収斂とはならないだろう。というのは、そもそもDL版を求めるユーザーにとっては即時納入も重要なポイントだからである。大手のちゃんとしたショップでは、16桁のDLコードを印刷した紙を納品するだろう。しかし、16桁コードをメールで即送信、というショップも現れそうである。そうなれば弱小ショップにも目はある。翌日着のAmazonより、少々高くてもメール即納ショップを選ぶ層は薄くないと思うからだ。
在庫が存在しないDL版店頭販売では、在庫調整による値引はない。が、広告宣伝効果を狙っての特売は、十分に考えられる。別途店頭商品購入者に限り、という値引方式なら元々ノーリスクであるDL版での薄利など削っても十分に回収できるだろう。
よって、DL版の価格は、任天堂の狙い通り、実店舗及びネット上で、収斂することなく様々な価格帯が現れる可能性がある。どのような様相を呈すのかとても楽しみである。
しかし、まあ、ユーザー視点からは、価格よりも、その使用感がより重要だ。
なんと言ってもカートリッジを抜き差ししなくて良いDL版の利便性は魅力である。
例えば、「花といきもの立体図鑑」もDL版併売で同時に体験版でプッシュされていたら購入していたかも知れない。
もちろん購入前からは100%の判断はできないものの、よほどの事故がない限りは、長年にわたって遊ぶ事が確実なソフト、例えば、来月発売の「カルドセプト」などは、十分にDL版を検討する価値がある。
実際、既に発売日に購入すべく予約済みであるが、キャンセルしてDL版への切替を検討中である。
しかし、デメリットもあると思うので慎重に検討すべきだろう。
ちなみに、中古屋へ売れない、というDL版の性質は「ゲームを手放す事はない」というポリシーの我が家ではデメリットにはならないが、実体としてのパッケージが存在しない、という点はコレクターとしては大いにデメリットである。しかし、数年~10年後などに、中古のパッケージを安価に回収すれば済む話ではある。ただし、DL版が完全に主流になってしまうと、パッケージは定価以上のプレミアとなる恐れもある。規模が小さく期間が短かくなってゆくであろうワゴンセールでの回収判断が今後はより難しくなるのは必至だ。
本体データと一体で記録されるために分割管理できないセーブデータの扱いも注意が必要であろうが、3DSには、そもそも引越機能があるので、それほど問題はないだろう。むしろ、セーブを含めてバックアップが取れる、という
点は大いにメリットである。
「カルドセプト」で現実的なデメリットとしては、初回限定版の特典などであろうか。この辺はDL対応を含め続報を待ちたい。
その他の話題として、ガチャ課金への牽制は痛快であった。任天堂のポリシーから考えれば当然の反応であるが、ぶつ森ファンなど、胸をなで下ろした向きも多いであろう。
個人的には、ガチャ課金のソーシャルバブルはすぐに吹っ飛ぶと思っている。志の低いメーカーは早く尻馬に乗ってブームともろともにとっとと滅び去って欲しいものだ。