見学しよう工事現場4 橋/溝渕利明 | 読んだり観たり聴いたりしたもの

見学しよう工事現場4 橋/溝渕利明

シリーズ最終の4巻で取り上げるのは、橋。

開通で話題になっている新東名。その未開通部分に掛かる豊川市の佐奈川橋の建設を詳解する。
トンネルと橋の多い新東名を象徴するような、山奥のトンネルとトンネルの間に掛かる、全長700m、高さ89mのコンクリートけた橋である。
本書の末でも紹介されているが、橋は構造によって分類されるが、コンクリートけた橋は、現在最も多いタイプの橋で、橋脚を作り、その上に橋げたを架ける、鉄筋コンクリート製の橋である。
佐奈川橋では、景観と環境に配慮し、できるだけコンクリートの量を減らすように高強度のコンクリートや鉄筋を使用しPRC工法を採用。こうした細部も詳しく解説されている。
コンクリートけた橋といっても、橋脚を作って、橋を乗せるんだろう、ぐらいの知識しか無かったので、地上80mの橋脚天端に橋の要、柱頭部を作り、そこから両側に橋げたを少しずつ作りながら伸ばしていく工事の様子を写真で知って結構驚いた。先端にワーゲンという巨大な移動作業車を作り、それを移動させながら型枠を作って少しずつ鉄筋コンクリートの橋げたを伸ばしてゆくのだ。よくちゃんと精度が出るなと感心した。
シリーズ定番の現場の声も多数収録し、現場で働く人の気持ちや様子がよく分かる。

全4冊、とても面白く、またためになる絵本シリーズだった。工作好きの子供には絶対にお奨めだ。

小さな人間が、巨大な建造物を作り上げる事のできる不思議。
それを為し得ているのは、工具や工機、そして知識だけではない。最も大事なのは、計画、管理、そしてチームワークなのだ、という事がよく分かる本である。ピラミッドを造ったのも人間の手である。
今日行う作業、それを見越して、何日も何週も前から、段取りし、手配し、周知し、きちんとスケジュール管理するのだ。これが日本の工事現場での高い精度と安全を支えているのだ。もちろん工期の短縮によるコストダウンも重要な点である。
こうしたマネジメントはすごく面白い仕事だろう。だから、こうした土木建設のシミュレーションゲームがあると楽しいだろうと思う。シムシティのもっと局所的なゲームかな。予算をもらって、設計・施工して橋やトンネルを造るのだ。


溝渕利明
見学しよう工事現場4 橋