人類の月面着陸はあったんだ論 と学会レポート/山本弘他 | 読んだり観たり聴いたりしたもの

人類の月面着陸はあったんだ論 と学会レポート/山本弘他

全然知らなかったのだが、本書によると2002年からの数年間、一連のTV番組をきっかけとしてムーンホークス説(アポロの月面着陸はでっち上げで人類は月面に着陸していないと言う陰謀論)が日本で流行ったらしい。
日本ではマイナーなムーンホークスだが、欧米ではもともとメジャーな陰謀論らしく、これら番組の元ネタも欧米のジョーク番組である。しかし、免疫のない日本人にはジョークという点に気づかず、番組での取り上げ方も、真偽を意図して曖昧にした作りだったため、かなり本気で信じてしまった人が続出したらしい。
そして極めつけは、副島某という自称知識人が、このハシカで熱を上げるあまり、ネット上でのヒートアップも手伝って、とうとう「人類の月面着陸は無かったろう論」(副島隆彦)という怪書を上梓した事である。この書籍は内容のあまりのひどさにトンデモ本として大絶賛され、2005年度の「日本トンデモ本大賞」を受賞した。

この本は、こうした経緯と背景を詳説し、この怪書の誤りを解説するという、ムーンホークスとトンデモ本の解説書である。

内容は、まあまあ面白いが、ムーンホークス説自体、主張派の根拠が弱すぎて門前払いという感じだし、上記の怪書に至っては、散見するだけで、そもそも書籍として論述文の体を成してないという始末である。むしろ、売名などのためにわざと書いているのではないかと疑うレベルだ。突っ込みどころが多すぎるというのは、と学会的には嬉しい悲鳴なのかも知れないが、ちょっとあからさまな感じがして、鼻白んだ感がある。

山本弘他
人類の月面着陸はあったんだ論 と学会レポート