3DS/新・光神話 パルテナの鏡/任天堂
前々から期待していたタイトル。もちろん、ジョーシンwebで予約して、発売日からさっそくプレイしていた訳である。
昨日ようやくストーリーモードである「ひとりで」をクリアし、キリが付いたという事で書いておく。セーブファイルのクリア率は79.7%となっている。プレイ時間はここまで20時間。ただし、これらの時間は対戦や融合にかなり割かれており、シングルプレイ自体のプレイ時間は約10時間。
このゲームは、3DSの立体視機能を活かした、三人称視点のアクションシューティングである。
本編である「ひとりで」モードは、ストーリーに沿った章で構成される。各章は、「罪と罰」のようなオートクルーズシューティングとなる5分程度の空中戦、敵地へ降りてからの探索TPSである地上戦、そしてボス戦の3パートで構成される。操作系統としては、空中戦と地上戦の大きく分けて2種があることになる。
もう一つの柱は、地上戦の操作系を用いて対戦を行う「みんなで」モードである。ローカルそしてWifiに対応している。実はこちらがメインモードだ。
このゲームを一言で表すなら、カスタムできるTPSのスマブラ、とでも言おうか。
他のゲームで例えると、「罪と罰」+「ガチャフォース」と言ったところ。
このゲームのキモは、主人公の飛べない天使ピットが使用する武器、「神器」の多様さにある。
神器は狙撃系、打撃系など9系統に数十以上の種類が用意されているが、それぞれがガラッと異なる個性を持っている。例え同じ系統の神器であっても、グラやエフェクト、効果音はもちろん、弾の威力、飛距離、精度、誘導性、チャージ時間、移動速度、などなど、多数のパラメータを調整して、使用感の「味付け」がなされており、はっきりと神器の個性を感じる事ができるのだ。
つまり、主人公はピットしかいないのだが、使用する神器を選択する事により、事実上、「多数の使用キャラ」が選択できるゲーム、という事になる。そのキャラ数とバラエティの幅は、スマブラ以上である。だれでもお気に入りの神器が見つかるだろう。
そして、バトルに持ち込めるパワーアップアイテムである「奇跡」が、さらにこの多様さに拍車をかける。奇跡には、強力なボム系攻撃であったり、パラメータ強化、属性攻撃付与、特殊能力発動など、多彩なものがそろっている。
例えば、威力は絶大だが移動速度が極めて遅い巨塔系の神器と、移動速度が速くなる奇跡を組み合わせる。狙撃系の神器と、弾が透明化して見えなくなる奇跡を組合せ、遠くから見つからずにチクチク削る。豪腕など打撃系神器に、打撃強化系奇跡を組み合わせて特攻。などなど、好みに応じて無数の戦術が考えられるだろう。
あーでもないこーでもないと自分だけの戦術を考えるのは本当に楽しい。まして、実践で上手くハマった時の快感は凄まじい。
そしてとどめを刺すのが、これら神器の育成だ。
1本1本の神器には、射撃・打撃の威力と、6個まで付与される特殊パラメータの固有値があるのだ。
どちらのモードでも、バトル中にご褒美として神器を入手できるが、これらのパラメータは入手時にランダムで決まる。そして、「ひとりで」なら、難易度を上げると強い神器が出やすくなっている。
また、弱い神器であっても、それらを掛け合わせる「融合」によって、能力を引き継いだより強い神器を生み出す事ができる。
こうして、バトルをして神器をゲット→ゲットした神器を融合して強化→強化した神器と奇跡で戦術を考える→考えた戦術を有利にする神器を求めてバトル、というループは、なかなかやめ時が見つからない。
このように、このゲームは基本的には、スマブラなどの対戦ツール系のゲームである。側に置いておいて長い事チクチクと遊べるだろう。
かといって、ストーリーである「ひとりで」がおまけという事はない。こちらも素晴らしい出来映えだった。とくに、ピットやパルテナ、その他のキャラが掛け合い漫才の如く、シーンの展開に合わせてこれでもか、というぐらいに喋りまくる演出が実に良かった。
ストーリーはシリアスなものではなく、ゲーム自体のパロディなどメタギャグも多い、非常にコミカルな路線で、万人向けの楽しめる内容だ。とは言え、任天堂の事である。単純な善と悪の戦いなどといったライトなだけでは終わらず混沌とし二転三転するシナリオの幅と、時にポロポロと時に堂々と提示されるシニカルでブラックなユーモアに、大人も十分に堪能できるだろう。
音楽も素晴らしい。難を言うなら、バトル中は忙しすぎてじっくり聴いている暇はない、という点だ。もちろんぬかりなくサウンドテストモードもあるが、クラニンのサントラを申し込んだので、楽しみに待っている所。コンポーザーには有名どころを揃えて粒ぞろいの楽曲群である。とくに、メインテーマである、パルテナのテーマは、編曲をあちこちのモードで聴く事もあり耳に残る。この曲は桜庭統の作曲となっておりでさすがである。
「ひとりで」モードは、その演出も含め、かなりのボリュームであると思うが、難易度システムがそのボリュームをさらに増やしている。
手持ちのポイントである「ハート」を注ぎ込んで難易度を変更するという「悪魔の釜」システムは斬新だ。ハートを賭けて難易度を上げれば上げるほど、得られるハートや神器のレベルは上がる。しかし、実力以上に上げて失敗すれば、ハートを失う。リスク&リターンである。また一方で難易度をゼロに下げればほぼ無敵、という初心者救済システムもかねているところが面白い。ただし、このゲームは、基本的にはコアゲーマー向けゲームである事は間違いないだろう。
また、 宝物庫という、スマブラで言うところのクリアゲッターが、これでもか、というぐらいに用意されている。
これを一通りやろうとするだけで、コツコツゲーマーなら月単位で時間がかかり、長い事遊べるだろう。
もちろん、上で述べたように、対戦&神器育成は終わりの見えない遊びとなるだろう。
「みんなで」の対戦モードも面白い。ルールが2つあり、バトルロイヤル6人対戦と、3vs3のチーム戦である「天使の降臨」だ。とくに天使の降臨は、強くない武器にも意味がある、という点が独特だ。神器にはそのパラメータの強さに応じた「価値」がポイントで表示されている。チームにはそれぞれチームポイントがあり、倒されたプレイヤーの神器のポイントがそこから引かれるのだ。つまり、分不相応な強い神器を持っていっても、使いこなせなければ、返って足を引っ張るだけ、という事だ。チームポイントをゼロにしたプレイヤーが天使に生まれ変わり、先に天使を倒された方が負け、というルールである。天使は他のプレイヤーであるファイターに比べて基本性能がシャア並に強化されているので、天使になった途端に敵を蹴散らしに向かっても良いだろう。しかし、敵も当然天使を集中して狙ってくる訳なので、いくら強くても囲まれるとヤバイ。よって、天使はずっと逃げている、という戦法もアリだろう。この辺の駆け引きがミソである。
最後に特筆すべき点として、斬新な操作体系について。
CM等でも強調しているように、このゲームは、アナログパッドで移動、Lボタンで射撃、ペンで照準、の簡単操作、という売りである。もちろんそこに嘘はないが、実は、本当に重要なのは、地上戦での、ペンフリック(タッチペンを素早く払うように動かすこと)による視点移動操作なのである。
計算機の演算性能が上がり、ポリゴンによる3D空間の表現が可能になった時、3D空間ゲームが登場した。3D空間では、物体を任意の方向から見た映像を瞬時に作成する事ができる。
では、逆にどこからどう見た映像を表示したらベストなのか?実はこれが難問なのだ。3Dゲームの歴史は、そのまま3D空間を切り取る「カメラ」の歴史でもある。操作キャラの後方上部に張り付いて前方を俯瞰するカメラ、トップビューのカメラ、監視カメラのような特定位置からの固定アングルを操作キャラの移動と共に切り替えるメラ、2Dライクに主人公の向きとは無関係にサイドから映し続けるカメラ、操作キャラの視点をそのまま表示する主観カメラ、などなど。そしてこれらのカメラをどう動かすか?プレイヤーに操作させるのか、自動で視点を変えるのか?そうしたカメラの機能を設計する事が、3Dゲームの設計においてかなりのウェイトを占めるのである。
例えば、モンハンやメタルギアなどは、右手系のスティックやボタンを使用した、完全手動カメラである。特にMGSPWなどの場合、射撃武器の照準が画面センター固定なので、視界の移動=照準の移動となる。
これはこれで完成された一つの手法であるが、正確に精度良く動かしたい照準と、キョロキョロ素早く見回したい視界で、それぞれ異なるレスポンス要求があるため、双方で妥協せざるを得ないという欠点があった。
そこで、このパルテナのペンフリックカメラである。
パルテナでは、照準の移動は、下画面のタッチ移動(ドラッグ)によって行う。下画面のタッチで、上画面の相似的な位置を照準するのではない、という点に注意して欲しい。ペンを浮かせて別の場所をタッチしても照準は移動しない。そして、フリックすると払った方向へカメラが高速回転する。回転は慣性が付いてしばらく回り続けタッチすると停止する。回転の速度はフリックの速度で調節可能だ。
つまり、ドラッグとフリックを使い分ける事で、何とペン一本で照準とカメラの問題を解決してしまったのである。フリックすれば、真後ろの敵に、瞬時に回転して向き合う事ができる。そして同時にドラッグで照準を動かして、精密射撃も可能なのである。
特殊な操作に最初はとまどうだろう。しかし、数時間プレイして一旦慣れてしまうと、これまでの3Dゲームのカメラ操作が信じられないほどもっさりに感じて、俺はニュータイプか、と思うほど素早くアクションを繰り出せるのだ。もちろん、ライバル達もニュータイプなのでそうそう勝てはしないが。それでも、このコントロールされたスピード感は素晴らしく、一旦この操作感を知ってしまうと、十字キーやアナログスティックでの視点移動にはもう戻れない。この操作体系は、今後、3DSでのある種のスタンダードになる事は間違いないだろう。
もちろんMGSの操作系は、そのゲームのスピード感に非常にマッチしており、これをペンフリックで作ったら満点かというとそれは疑問である。しかし、パルテナをスティックカメラでプレイすると魅力は半減だろう。
とにかく、信じられないほど盛りだくさんの内容で、信じられないほど丁寧に作ってある本作は、アクションが嫌いでなければ誰にでも安心して薦められる傑作である。
唯一難点を挙げるとするなら、ネット対戦の「みんなで」を、マリオカートのようなシステムで、フレンド+ネットの他人プレイヤーを織り交ぜて遊べる仕組みがあると良かったかも。とくに、天使の降臨など、フレンドチーム同士での対戦モードがあると白熱したのではないだろうか。

任天堂
新・光神話 パルテナの鏡
昨日ようやくストーリーモードである「ひとりで」をクリアし、キリが付いたという事で書いておく。セーブファイルのクリア率は79.7%となっている。プレイ時間はここまで20時間。ただし、これらの時間は対戦や融合にかなり割かれており、シングルプレイ自体のプレイ時間は約10時間。
このゲームは、3DSの立体視機能を活かした、三人称視点のアクションシューティングである。
本編である「ひとりで」モードは、ストーリーに沿った章で構成される。各章は、「罪と罰」のようなオートクルーズシューティングとなる5分程度の空中戦、敵地へ降りてからの探索TPSである地上戦、そしてボス戦の3パートで構成される。操作系統としては、空中戦と地上戦の大きく分けて2種があることになる。
もう一つの柱は、地上戦の操作系を用いて対戦を行う「みんなで」モードである。ローカルそしてWifiに対応している。実はこちらがメインモードだ。
このゲームを一言で表すなら、カスタムできるTPSのスマブラ、とでも言おうか。
他のゲームで例えると、「罪と罰」+「ガチャフォース」と言ったところ。
このゲームのキモは、主人公の飛べない天使ピットが使用する武器、「神器」の多様さにある。
神器は狙撃系、打撃系など9系統に数十以上の種類が用意されているが、それぞれがガラッと異なる個性を持っている。例え同じ系統の神器であっても、グラやエフェクト、効果音はもちろん、弾の威力、飛距離、精度、誘導性、チャージ時間、移動速度、などなど、多数のパラメータを調整して、使用感の「味付け」がなされており、はっきりと神器の個性を感じる事ができるのだ。
つまり、主人公はピットしかいないのだが、使用する神器を選択する事により、事実上、「多数の使用キャラ」が選択できるゲーム、という事になる。そのキャラ数とバラエティの幅は、スマブラ以上である。だれでもお気に入りの神器が見つかるだろう。
そして、バトルに持ち込めるパワーアップアイテムである「奇跡」が、さらにこの多様さに拍車をかける。奇跡には、強力なボム系攻撃であったり、パラメータ強化、属性攻撃付与、特殊能力発動など、多彩なものがそろっている。
例えば、威力は絶大だが移動速度が極めて遅い巨塔系の神器と、移動速度が速くなる奇跡を組み合わせる。狙撃系の神器と、弾が透明化して見えなくなる奇跡を組合せ、遠くから見つからずにチクチク削る。豪腕など打撃系神器に、打撃強化系奇跡を組み合わせて特攻。などなど、好みに応じて無数の戦術が考えられるだろう。
あーでもないこーでもないと自分だけの戦術を考えるのは本当に楽しい。まして、実践で上手くハマった時の快感は凄まじい。
そしてとどめを刺すのが、これら神器の育成だ。
1本1本の神器には、射撃・打撃の威力と、6個まで付与される特殊パラメータの固有値があるのだ。
どちらのモードでも、バトル中にご褒美として神器を入手できるが、これらのパラメータは入手時にランダムで決まる。そして、「ひとりで」なら、難易度を上げると強い神器が出やすくなっている。
また、弱い神器であっても、それらを掛け合わせる「融合」によって、能力を引き継いだより強い神器を生み出す事ができる。
こうして、バトルをして神器をゲット→ゲットした神器を融合して強化→強化した神器と奇跡で戦術を考える→考えた戦術を有利にする神器を求めてバトル、というループは、なかなかやめ時が見つからない。
このように、このゲームは基本的には、スマブラなどの対戦ツール系のゲームである。側に置いておいて長い事チクチクと遊べるだろう。
かといって、ストーリーである「ひとりで」がおまけという事はない。こちらも素晴らしい出来映えだった。とくに、ピットやパルテナ、その他のキャラが掛け合い漫才の如く、シーンの展開に合わせてこれでもか、というぐらいに喋りまくる演出が実に良かった。
ストーリーはシリアスなものではなく、ゲーム自体のパロディなどメタギャグも多い、非常にコミカルな路線で、万人向けの楽しめる内容だ。とは言え、任天堂の事である。単純な善と悪の戦いなどといったライトなだけでは終わらず混沌とし二転三転するシナリオの幅と、時にポロポロと時に堂々と提示されるシニカルでブラックなユーモアに、大人も十分に堪能できるだろう。
音楽も素晴らしい。難を言うなら、バトル中は忙しすぎてじっくり聴いている暇はない、という点だ。もちろんぬかりなくサウンドテストモードもあるが、クラニンのサントラを申し込んだので、楽しみに待っている所。コンポーザーには有名どころを揃えて粒ぞろいの楽曲群である。とくに、メインテーマである、パルテナのテーマは、編曲をあちこちのモードで聴く事もあり耳に残る。この曲は桜庭統の作曲となっておりでさすがである。
「ひとりで」モードは、その演出も含め、かなりのボリュームであると思うが、難易度システムがそのボリュームをさらに増やしている。
手持ちのポイントである「ハート」を注ぎ込んで難易度を変更するという「悪魔の釜」システムは斬新だ。ハートを賭けて難易度を上げれば上げるほど、得られるハートや神器のレベルは上がる。しかし、実力以上に上げて失敗すれば、ハートを失う。リスク&リターンである。また一方で難易度をゼロに下げればほぼ無敵、という初心者救済システムもかねているところが面白い。ただし、このゲームは、基本的にはコアゲーマー向けゲームである事は間違いないだろう。
また、 宝物庫という、スマブラで言うところのクリアゲッターが、これでもか、というぐらいに用意されている。
これを一通りやろうとするだけで、コツコツゲーマーなら月単位で時間がかかり、長い事遊べるだろう。
もちろん、上で述べたように、対戦&神器育成は終わりの見えない遊びとなるだろう。
「みんなで」の対戦モードも面白い。ルールが2つあり、バトルロイヤル6人対戦と、3vs3のチーム戦である「天使の降臨」だ。とくに天使の降臨は、強くない武器にも意味がある、という点が独特だ。神器にはそのパラメータの強さに応じた「価値」がポイントで表示されている。チームにはそれぞれチームポイントがあり、倒されたプレイヤーの神器のポイントがそこから引かれるのだ。つまり、分不相応な強い神器を持っていっても、使いこなせなければ、返って足を引っ張るだけ、という事だ。チームポイントをゼロにしたプレイヤーが天使に生まれ変わり、先に天使を倒された方が負け、というルールである。天使は他のプレイヤーであるファイターに比べて基本性能がシャア並に強化されているので、天使になった途端に敵を蹴散らしに向かっても良いだろう。しかし、敵も当然天使を集中して狙ってくる訳なので、いくら強くても囲まれるとヤバイ。よって、天使はずっと逃げている、という戦法もアリだろう。この辺の駆け引きがミソである。
最後に特筆すべき点として、斬新な操作体系について。
CM等でも強調しているように、このゲームは、アナログパッドで移動、Lボタンで射撃、ペンで照準、の簡単操作、という売りである。もちろんそこに嘘はないが、実は、本当に重要なのは、地上戦での、ペンフリック(タッチペンを素早く払うように動かすこと)による視点移動操作なのである。
計算機の演算性能が上がり、ポリゴンによる3D空間の表現が可能になった時、3D空間ゲームが登場した。3D空間では、物体を任意の方向から見た映像を瞬時に作成する事ができる。
では、逆にどこからどう見た映像を表示したらベストなのか?実はこれが難問なのだ。3Dゲームの歴史は、そのまま3D空間を切り取る「カメラ」の歴史でもある。操作キャラの後方上部に張り付いて前方を俯瞰するカメラ、トップビューのカメラ、監視カメラのような特定位置からの固定アングルを操作キャラの移動と共に切り替えるメラ、2Dライクに主人公の向きとは無関係にサイドから映し続けるカメラ、操作キャラの視点をそのまま表示する主観カメラ、などなど。そしてこれらのカメラをどう動かすか?プレイヤーに操作させるのか、自動で視点を変えるのか?そうしたカメラの機能を設計する事が、3Dゲームの設計においてかなりのウェイトを占めるのである。
例えば、モンハンやメタルギアなどは、右手系のスティックやボタンを使用した、完全手動カメラである。特にMGSPWなどの場合、射撃武器の照準が画面センター固定なので、視界の移動=照準の移動となる。
これはこれで完成された一つの手法であるが、正確に精度良く動かしたい照準と、キョロキョロ素早く見回したい視界で、それぞれ異なるレスポンス要求があるため、双方で妥協せざるを得ないという欠点があった。
そこで、このパルテナのペンフリックカメラである。
パルテナでは、照準の移動は、下画面のタッチ移動(ドラッグ)によって行う。下画面のタッチで、上画面の相似的な位置を照準するのではない、という点に注意して欲しい。ペンを浮かせて別の場所をタッチしても照準は移動しない。そして、フリックすると払った方向へカメラが高速回転する。回転は慣性が付いてしばらく回り続けタッチすると停止する。回転の速度はフリックの速度で調節可能だ。
つまり、ドラッグとフリックを使い分ける事で、何とペン一本で照準とカメラの問題を解決してしまったのである。フリックすれば、真後ろの敵に、瞬時に回転して向き合う事ができる。そして同時にドラッグで照準を動かして、精密射撃も可能なのである。
特殊な操作に最初はとまどうだろう。しかし、数時間プレイして一旦慣れてしまうと、これまでの3Dゲームのカメラ操作が信じられないほどもっさりに感じて、俺はニュータイプか、と思うほど素早くアクションを繰り出せるのだ。もちろん、ライバル達もニュータイプなのでそうそう勝てはしないが。それでも、このコントロールされたスピード感は素晴らしく、一旦この操作感を知ってしまうと、十字キーやアナログスティックでの視点移動にはもう戻れない。この操作体系は、今後、3DSでのある種のスタンダードになる事は間違いないだろう。
もちろんMGSの操作系は、そのゲームのスピード感に非常にマッチしており、これをペンフリックで作ったら満点かというとそれは疑問である。しかし、パルテナをスティックカメラでプレイすると魅力は半減だろう。
とにかく、信じられないほど盛りだくさんの内容で、信じられないほど丁寧に作ってある本作は、アクションが嫌いでなければ誰にでも安心して薦められる傑作である。
唯一難点を挙げるとするなら、ネット対戦の「みんなで」を、マリオカートのようなシステムで、フレンド+ネットの他人プレイヤーを織り交ぜて遊べる仕組みがあると良かったかも。とくに、天使の降臨など、フレンドチーム同士での対戦モードがあると白熱したのではないだろうか。