まだ科学で解けない13の謎/マイケル・ブルックス/楡井浩一 | 読んだり観たり聴いたりしたもの

まだ科学で解けない13の謎/マイケル・ブルックス/楡井浩一

妻のお薦めで読んだ。

当然の事ながら科学では解明されていない事柄は多数存在する。むしろその方が多いだろう。しかし、人間は自分の見える範囲だけを見て、己の力を過信し、成果に安住しようとする。20世紀初頭、相対論と量子論が勃興する直前、世の科学者に、物理学は完成されてしまい、もはや落ち穂拾いしか残っていないと言わしめた雰囲気がそれだろう。
どんなに精緻な理論でも、それはあくまで現実の近似に過ぎないと言うのが科学の立場である。
一見異常と思える結果を、単なる測定誤差やエラーと見過ごすか、それとも変則事項(アノマリー)と見なし、そこから新しい見知を引き出すか。
科学の進歩はいつもこうした変則事項に対するブレイクスルーによりもたらされてきた。

この本は、気鋭の科学ジャーナリストが、そうした現代の変則事項と思えるものを13取り上げ、取材し、読みやすくまとめたものである。特に、幅広い科学分野から抜き出したテーマを順に関連づけて並べていく編集手腕にはなかなか興味深いものがある。
やや主観で先走った表現をするので、取り上げられたテーマの中には根拠をつかみにくいものもある点が残念だが、読み物としては非常に楽しく読めるだろう。書かれた事柄の真偽は読者が自分で調べて見た方が良い。


マイケル・ブルックス/楡井浩一
まだ科学で解けない13の謎