縦横無尽の文章レッスン/村田喜代子
恥ずかしながら寡聞にしてこの芥川賞作家の名は知らなかったが、書評が良かったのでこの本を読んでみたのだ。
内容を簡単に説明すると、著者による大学での文章レッスンの講義の様子を収録し、加筆したもの、という体裁である。
実際にそうした講義があったのだろう。
講義の内容も、名文を読み分析し、また受講生は毎回課題に沿って習作を書き、発表し、批評され、というまさに文章レッスンの内容が深く記されている。
そこでは文章作法について、蒙を啓く、目から鱗の指摘が多数あり、為になるものである。
著者が例示する名文の名文たる生命力に溢れる文章。その文章を、どう見つけるか、どう鑑賞するか、どうものにするか。非常に参考になる。
当然ながら、本書の文章レッスンというタイトルに偽りはない。
しかし、そうではないと思った。
この本は、文章レッスンの本ではない。
内容が深すぎて、文章レッスンの本としても使えるというだけで、本当はそうではないのだ。
この本は、大学の講義で文章レッスンを行っている主人公が、書くという行為を教えることによって書くという行為を見つめ直す、文筆業という職業を生きる著者をモデルにした小説としても読めるのである。
中盤それに気づいた時は、思わず唸った。
一旦そう思うと、もう、どう読んでも小説としての構造に引き込まれてしまう。非常に巧妙な作りになっている。
著者の別の作品も読んでみたいと思った。
村田喜代子
縦横無尽の文章レッスン
内容を簡単に説明すると、著者による大学での文章レッスンの講義の様子を収録し、加筆したもの、という体裁である。
実際にそうした講義があったのだろう。
講義の内容も、名文を読み分析し、また受講生は毎回課題に沿って習作を書き、発表し、批評され、というまさに文章レッスンの内容が深く記されている。
そこでは文章作法について、蒙を啓く、目から鱗の指摘が多数あり、為になるものである。
著者が例示する名文の名文たる生命力に溢れる文章。その文章を、どう見つけるか、どう鑑賞するか、どうものにするか。非常に参考になる。
当然ながら、本書の文章レッスンというタイトルに偽りはない。
しかし、そうではないと思った。
この本は、文章レッスンの本ではない。
内容が深すぎて、文章レッスンの本としても使えるというだけで、本当はそうではないのだ。
この本は、大学の講義で文章レッスンを行っている主人公が、書くという行為を教えることによって書くという行為を見つめ直す、文筆業という職業を生きる著者をモデルにした小説としても読めるのである。
中盤それに気づいた時は、思わず唸った。
一旦そう思うと、もう、どう読んでも小説としての構造に引き込まれてしまう。非常に巧妙な作りになっている。
著者の別の作品も読んでみたいと思った。