アナログアパート/椎名軽穂 | 読んだり観たり聴いたりしたもの

アナログアパート/椎名軽穂

かなり前、夏頃の話である。
君届の12巻入手問題で身もだえていた頃、仕事場で、椎名軽穂の読み切りコミックスを大量に入手した。
最近ちょうど読み終わったので、一応書いておこうかと。

表題のアナログアパートは、漫画家を目指す専門学校生の女の子、生田ななが主人公。多分、作者の生活をかなりトレースしていたのだろう。よく分かっていることを書くというのは重要なことである。
おんぼろアパートかめ荘の隣人兵庫さんとのほのぼのラブストーリー。次巻のオレンジアパートで続きが2話ある。
次の'90は中学青春モノ。ちょっと不良で暴れん坊、けれど故郷を愛す真っ直ぐな少年に、都会から越してきた少女が惹かれていく話である。
そして、ロケット・ポケット。これは高校モノだが、恋と夢をベースにもう少し高い視点から綴られるすれちがいの話である。この話が一番好きかな。

以上の3話を収録。読んでまず思うのは、当然ながら、拙いな、と言うことだ。15年も前の、デビュー当時の作品である。
津田雅美のようにデビュー作から全くそつのない人もいるが、椎名軽穂は徐々に力を付けていくタイプのようだ。
それでも、所々には、おっと思う一コマが無い訳でもないし、全く読めないという訳でもない。
しかし、後々君届で花開くモチーフのあれやこれやが使われているのを確認できるのが面白い、という偏った読み方をしてしまう。
あと、構図やタッチを色々替えて研究してるな、という気がする。
わざわざ買うほどの本でもないが、椎名ファンなら楽しめないこともない。

椎名軽穂
アナログアパート