量子もつれとは何か/古澤明 | 読んだり観たり聴いたりしたもの

量子もつれとは何か/古澤明

書評がよかったので読んでみた。

「不確定性原理」と複数の量子を扱う量子力学、との副題だが、著者の専門とする量子光学の実験についての解説がメインで、そのベースとなる理論的背景を駆け足で説明するような感じか。
ページ数の割に消化不良感が否めない。

多分、著者が文章が下手な為だろう。何というか、言いたいことは分かるのだが、そう思うのは多分、そもそも言いたいことが分かっているという読者だけであって、言いたいことが分かってない人が最初にこの文章を読んだら混乱して意図が汲めないだろうな、という雰囲気がひしひしと伝わってくる文章なのである。
決して手を抜いている訳ではないのである。むしろ何とか説明しようと工夫しているのは見えるし、丁寧に引っ張ろうとしているのも分かるが、どこか空回りしている印象なのだ。
まるで自分の文章を読んでいるみたいだった。文章って難しいよね。

そんな訳で、量子力学の初学者には向かないだろう。また、ターゲットの、量子もつれ、についてもその理論的背景や物理学的な解釈はほとんど無く、量子光学の実験に興味がない素人さんだと、読んでいてもあまり面白くないだろう。

とても分かりにくく書いてあったが、個人的には、著者の物理像、量子力学像は、結構好感が持てる解釈だと思うし、目から鱗の指摘も多数あり、そうした所は読んで為になった本であった。


古澤明
量子もつれとは何か