ほこ×たて/フジテレビ | 読んだり観たり聴いたりしたもの

ほこ×たて/フジテレビ

今回の真空対決は、ちょっと違うだろうと思った人も多いのでは。

絵面としては盛り上がる名勝負としてまとめられていたが、そもそも本末転倒というか、一体何の勝負をしているのか分からない。

最強吸引車 vs 最強吸盤、と銘打たれた対決である。何でも吸い込むという吸引車と絶対にはがれないという吸盤の矛盾対決なのである。

つまり勝負のポイントは、如何に高い真空度を維持できる機構を作り出せるか?に絞られてくる訳だ。
そうでないと、おかしな事になってしまう。

理論上完璧な吸盤ができたとしても、例えば直径30cmの吸盤は1気圧下で、最大730kg重の力にしか耐えられない。これ以上吸着力のある吸盤を作ることは、接着剤などを使わなければ理論上無理なのである。

一方で、吸引車のあのせこい仕掛け、あれはズルである。あのフロートに繋がったワイヤーの牽引力は、フロートの径を増やせば、いくらでも好きなだけ増やすことができるからだ。パスカルの原理である。
上記と同様に、直径30cmのフロートなら、理論上最大で730kg重の牽引力を達成できる。しかし、40cmにすれば、約1,300kg重で引けるのだ。雑に作っても1000は堅いだろう。大きなフロートと筒を作ることには、別段大した技術は必要ない筈である。基本的に、相手が作ってきた吸盤の直径より一回り大きなフロートで試合に臨めば100%勝てるだろう。

そんな対決が何か面白いだろうか?

吸盤を引きはがすだけであれば、700kg重程度、その辺のパワーショベルなどで引っ張れば簡単にはがれるだろう。
そうではなく、吸盤 vs 吸引、という点がポイントであるから意味があるのだ。
あのせこい仕掛けは禁止すべきだろう。
家庭用掃除機でも、1/4気圧程度の真空は引ける。つまり、吸引車の25%のパワーであるから、吸引車が使ったものの倍の直径のフロートを使えば、掃除機でもあの吸盤に勝てる訳である。そんな対決に何か意味があるだろうか?

ただし、吸盤を直接吸引する対決では、多分、吸引車はまず勝てないと思う。だから対決の企画自体が、そもそも微妙という事かも知れない。