コメットさんにも華がある/川原泉 | 読んだり観たり聴いたりしたもの

コメットさんにも華がある/川原泉

川原さん、最新刊。
6月末に出たばかりの所を、早速読んだ。が、自腹ではない。川原ファンのスタッフに借りたのだった。

「レナード現象には理由がある」の続編にあたる。
国内有数の超進学校を舞台に、男の子と女の子のでこぼこカップルのショートストーリーを集めた、通称「~がある」シリーズ最新刊。マンネリズムを極めんとするかのようなオープニングイントロはまるでパタリロのようだ。
同じ時期の同じ学園でのストーリーであるため、登場人物が他の話にもちらちら出てくるのが嬉しい。もちろんレナードに登場した子も出てくる。

相変わらず、恋愛のれの字も無いような表現と、淡々としてほんわかな雰囲気が素晴らしい。
にもかかわらず、カップル達はいずれも、この二人は結婚しても上手くいきそうだな、と極めて自然に思えてくる。
出逢い→恋愛→結婚→人生の伴侶、という相互理解の階段の、途中をすっ飛ばしたような、異常な程ストレートに相手の懐に瞬間飛び込む武道のような、理解と接近の仕方をするのだ。
この辺の空気感と流れは、やはり川原泉でないと出せないパターンだと思う。

男の子も、女の子も、ある程度パターンの範囲が決まってるな、という印象も受けたが、バラエティを出そうと意外と毛色の違うタイプも出してきており、でも雰囲気は上手くまとめたという感じ。
今後もこの調子で続けて欲しい。

今回のカップルは、
「男に間違われる新入生の女の子」×「一見クールな3年生生徒会長」の実はオタカップル
「霊感少女」×「理系研究者の臨時教員」の歳の差カップル
「元セレブから転落した極貧少女」×「企業グループの次期総裁候補」の同級生カップル
「無表情ゾンビマニア少女」×「俳優一家で悩むイケメン俳優の卵」の同級生カップル

最後の「無表情ゾンビマニア少女」は、君届の爽子と似てるしパクリですかと一見思うが、ちゃんと川原さん自身の手で描き込んだ素晴らしいキャラでした。

川原泉
コメットさんにも華がある