バーチャルボーイ/ギャラクティックピンボール/任天堂 | 読んだり観たり聴いたりしたもの

バーチャルボーイ/ギャラクティックピンボール/任天堂

このところ暇を見つけてはせっせとプレイしている。
ゴーグルタイプのディスプレイをのぞき込むスタイルのバーチャルボーイは、もともと独特の高い没入感を伴うプレイ体験をもたらすものだが、それがこの宇宙空間をモチーフにしたピンボールゲームの雰囲気に何ともマッチして、独特の寂寥感、孤独感、背徳感など、得も言われぬ気分を醸し出す。特にそれが午前3時を回った辺りに、独り静まりかえった部屋の片隅で背を丸めつつプレイするともなれば、幼少の頃、親の目を盗んで遊んだ8bitゲームの退廃的で痺れるようなあの麻薬の如き興奮が蘇るかのようである。
ちなみに念のために書いておくと、バーチャルボーイは32bitマシンである。

ピンボールについてはそれほど詳しくないし得意でもない。が、嫌いでもない。

まず、このゲームでは、ボールではなく、アイスホッケーのパックのようなものでピンボールを行う。
これは多分立体視サポートのためであろう。バーチャルボーイの単色4階調ディスプレイでは、球状物体のグラデーションを表現しづらく、とくに、左右の目で立体視が起こるべく、左右で異なった画像に描き分ける事が難しいためだと思う。パック状にすれば辺の描線を使って上手く表現ができるからである。

ピンボールに於いてボールが運動する台はほぼ平面であり、その点、立体視を導入したところで、ゲーム画面に劇的な変化はない。若干ギミック類が見やすくなるだけである。だが、ピンボール台が、手前から奥へ伸びている存在感のある感じや、背景の宇宙空間での浮遊感などの、雰囲気的な表現には非常に重要な効果を発揮していると思う。最初にも書いた通り、ゲーム内容の面白さだけでなく、その雰囲気を味わうために遊ぶ、と言う点もこのゲームには少なからずあるからだ。

ピンボールゲームとしてはどうだろうか。15年前の古いゲームであるという点を踏まえても、多分このゲームはオールドファッションだと思われる。比較対象はDSのメトロイドプライムピンボールであるが、こちらの方が全体的にボールスピードが速く、ノンストップで、ボールが軽く跳ね返り係数も高く、ギミックアクションも派手である。ギャラクティックピンボールは、ボールスピードもそれほど速くなく、フリッパーで打ち返す速度も速くない。ギミックも映像的な派手さは少ない。ボールはボテッと重い感じで跳ね返り係数も低めだ。なにより、フリッパーの反応が遅い調整になっている点が重要である。メトプラピンボールでは、ボタンを押した瞬間、瞬時にフリッパーが跳ね上がる。一方ギャラクティックピンボールでは、フリッパーが上がり始めるまでに数フレームのラグが設定されているし、上がりきる速さもやや遅いようだ。そしてフリッパーの根本に連なるレーンから進入してきたボールが、フリッパーの根本に当たるため、そこでワンクッション入るのだ。メトプラではフリッパーの根本とその進入レーンは完全に無抵抗で繋がっているので、ボールは等速直線運動として1次近似でフリッパー上の到達位置を予測可能である(が、上でも書いたようにボールスピード自体が速いのでその点では難しいのであるが)のに対し、ギャラクティックピンボールでは、レーンからフリッパーに乗り上げる時に減速し、またフリッパー反応もラグが大きいため、慣れないとまともに打ち返す事さえできない。
多分現代の主流はメトプラのようなハイスピード仕様だと思われるので、そうしたハイスピードのピンボールに慣れていると、かなり違和感を感じるのではないだろうか。
だが、やはり、慣れてみると、このボテッとした感じのピンボールが何とも心地よく感じる。操作を支配しきれない歯がゆい感じが、宇宙空間をテーマにしたこのゲームの雰囲気と本当に良く合っているからだ。

数日頑張って、ようやく1つの台でプリセットハイスコアの500万点を超えてネームエントリーできたので非常に満足である。このゲームには4種類の台が収録されているので、またちびちびと楽しみたい。



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