Xbox360/トラスティベル ショパンの夢/トライクレッシェンド
妻が希望して選んだソフト。聞き慣れないマイナーなメーカーと思ってはいけない。あのバテンを開発したハウスなのだ。これは期待も募ろうというもの。
だが、20数時間を掛けてクリアしたこのゲーム、感想は、惜しすぎるの一言。
このゲームには至高の素材がごろごろ詰まっている。HDで見惚れる画像、豊かな画面デザイン、すばらしい音楽、オリジナルで工夫されたバトルシステム、ユーザーフレンドリーな操作設計とレスポンス、題材の着眼点、魅力的なキャラクター造形などなど。
だが、すばらしい楽器と最高の弾き手は揃えたものの、作曲者は仕上げの期限までに曲をまとめきれず、舞台当日では指揮者が不在、そんなコンサートのようであった。
まずストーリーが微妙である。題材の着眼点は興味深いのにまとめ切れてないし活かされてない。そしてなによりストーリーの伝え方が弱すぎるのである。転機の表現が弱く淡く、一方で展開は急転直下なので、プレイヤーは完全に置き去りである。キャラクターの心の機微をていねいに描いてプレイヤーの心に舫だ綱を、いざ引っ張り上げる事でプレイヤーは物語の世界に引き込まれる事になるのだが、魅力的なキャラやエピソードは出てくるものの、その場限りで以後放置のまま使い捨てである。ストーリーテリングの能力とプレイ時間に比して登場キャラが多すぎるのではないか。半分はイベントキャラにし、プレイヤーキャラは半分に絞って倍描き込んだらストーリーも伝えやすかったのでは。中途半端で無理矢理感の強いシナリオも大問題だ。場面をつなぐためだけに無理矢理な展開を入れても納得できないという感情ばかりが積もる。フォルテ城での投獄イベントもそうだしフェルマータの砦での橋崩落やロック山頂での山場や終盤など、どこを取っても、「なぜそうなる?!」の言葉が漏れてくる。せめて、もう少しセリフ回しにしてもキャラモーションにしてもじっくりとシーンを描く手間を省くべきではなかったと思う。ワルツの最後なんて酷い扱いすぎる。あれだけ引っ張っておいて、死ぬ間際も死んでからも空気のように全く何も触れないとは。
また、ちらっとネットを見るだけでも否定的意見が溢れるエンディングについては、その前半部分については実際意図を汲みかねる感じも確かにあった。通常なら黙して浸るはずのエンディング中に、耐えきれず突っ込みを発する妻を見るもの初めてであった。
プレイヤーの主たる層へのメッセージとして政府系の機関からある種の使命を帯びて導入を要請もしくは強制されたのではないか、そんな邪推が浮かんだ程だ。
しかし、ストーリーなど、ゲームにとってはしょせん味付けに過ぎないと言う見方もある。ソースなど無くても、塩胡椒だけの肉のうまみで勝負すればいいのだ。
だが、その肝心のバトルが惜しすぎるのである。
すばらしい点が、いくつもある。簡単操作での必殺技アクション・フィールドの日陰日向を使った必殺技の切替システム・複数プレイヤーでの協同バトル・防御反撃システムやハーモニーチェイン・パーティクラスなど。どれも凄く面白そうな要素だし、実際最初はすばらしく面白かった。しかしこちらも練り切れていない。
まず、バトルフィールドでの敵パターンがワンパターンなのである。折角主人公達に複数攻撃用の必殺技があるのに、バトルでの敵配置も地形も毎度お決まりで敵も3体しか出てこない。これでは複数攻撃技など宝の持ち腐れである。もっとわらわら出てくる敵を複数攻撃したり、ノックバックで有利な配置を作り出したり、そういう楽しみが欲しいところであった。
また、エコーシステムによる効果増強とハーモニーチェインは強力であるが、それゆえに、結局はエコーが溜まりやすい多段ヒット技しか使用せず単発技はお呼びでなくなる。
さらに、アイテムの存在が全く空気である。状態異常のエフェクトが弱いため、また敵が3体と少ないため回復するよりさっさとチェインで倒した方が早いからだ。さらにターン毎のキャラの操作時間が有限であるのに、必殺技の切替にボタン長押しでは辛い。
もっとも酷いのは、もらえる経験値が多すぎる事だ。甘すぎる。2,3回エンカウントするとすぐにレベルアップしてしまう。特に大所帯で、常にNEXT経験値が少ないキャラで戦うような全育て戦略では、本当に戦闘毎に誰かがレベルアップしているような状況なのである。
これらに関係して特に重要なのは、写真が高価すぎるという問題点だ。このゲームでは金を稼ぐにはアイテムを売る他は、戦闘中にビートで撮影した写真(必殺技の一つが写真撮影)をショップで売る事によりお金がもらえるのだが、その買取価格がバグではないのか?と思いたくなるほど異常に高額なのである。
例えば、新しい街で新しいショップに入って、すばらしく強力な剣があるとする。値段は1000Gだ。それなら暫く周辺でバトルして稼いで貯めたら購入できるよ、というのが相場のパターンだろうが、このゲームでは適当に撮影した写真が1枚6000Gなのである。桁を間違えた訳では無い事に注意して欲しい。回復薬が数百G、強力な武器でも数千Gの相場で、ピンぼけ写真が数千G、上手い写真なら数万Gで売れるのである。もうアホかと言いたい設定である。2,3回バトルでピンぼけ写真を撮りまくってショップで売れば、数十万Gはあっという間である。そうなれば当然アイテムなどすべてカンストまで購入できる。強力な全回復薬もカンストで保持しているから、敵の攻撃力を下げるだのめんどうくさいような弱小アイテムなどハナから使う意志も意味もなくなるのだ。武装だって最初から常に最強状態である。バトルの緊張感も何も消え去ってしまう。上記の相場であれば、ピンぼけ写真など0~数Gで、上手な写真で100Gぐらいが適切かなと思うのだがどうだろう。しかも普通にシステムを考えるとショップでフィルムを数Gで購入して撮影させることで撮影の緊張感と面白さが出るはずなのに、そういった事も皆無でまったく面白くない。無意味どころか有害なシステムと言わざるを得ない。
ゲーム制作におけるまとめ役の重要さ、そして大事なのは素材自体ではなくて素材をどう活かすかという総合力であると言う事が十二分に実感できる作品である。
トライクレッシェンド
トラスティベル ショパンの夢
だが、20数時間を掛けてクリアしたこのゲーム、感想は、惜しすぎるの一言。
このゲームには至高の素材がごろごろ詰まっている。HDで見惚れる画像、豊かな画面デザイン、すばらしい音楽、オリジナルで工夫されたバトルシステム、ユーザーフレンドリーな操作設計とレスポンス、題材の着眼点、魅力的なキャラクター造形などなど。
だが、すばらしい楽器と最高の弾き手は揃えたものの、作曲者は仕上げの期限までに曲をまとめきれず、舞台当日では指揮者が不在、そんなコンサートのようであった。
まずストーリーが微妙である。題材の着眼点は興味深いのにまとめ切れてないし活かされてない。そしてなによりストーリーの伝え方が弱すぎるのである。転機の表現が弱く淡く、一方で展開は急転直下なので、プレイヤーは完全に置き去りである。キャラクターの心の機微をていねいに描いてプレイヤーの心に舫だ綱を、いざ引っ張り上げる事でプレイヤーは物語の世界に引き込まれる事になるのだが、魅力的なキャラやエピソードは出てくるものの、その場限りで以後放置のまま使い捨てである。ストーリーテリングの能力とプレイ時間に比して登場キャラが多すぎるのではないか。半分はイベントキャラにし、プレイヤーキャラは半分に絞って倍描き込んだらストーリーも伝えやすかったのでは。中途半端で無理矢理感の強いシナリオも大問題だ。場面をつなぐためだけに無理矢理な展開を入れても納得できないという感情ばかりが積もる。フォルテ城での投獄イベントもそうだしフェルマータの砦での橋崩落やロック山頂での山場や終盤など、どこを取っても、「なぜそうなる?!」の言葉が漏れてくる。せめて、もう少しセリフ回しにしてもキャラモーションにしてもじっくりとシーンを描く手間を省くべきではなかったと思う。ワルツの最後なんて酷い扱いすぎる。あれだけ引っ張っておいて、死ぬ間際も死んでからも空気のように全く何も触れないとは。
また、ちらっとネットを見るだけでも否定的意見が溢れるエンディングについては、その前半部分については実際意図を汲みかねる感じも確かにあった。通常なら黙して浸るはずのエンディング中に、耐えきれず突っ込みを発する妻を見るもの初めてであった。
プレイヤーの主たる層へのメッセージとして政府系の機関からある種の使命を帯びて導入を要請もしくは強制されたのではないか、そんな邪推が浮かんだ程だ。
しかし、ストーリーなど、ゲームにとってはしょせん味付けに過ぎないと言う見方もある。ソースなど無くても、塩胡椒だけの肉のうまみで勝負すればいいのだ。
だが、その肝心のバトルが惜しすぎるのである。
すばらしい点が、いくつもある。簡単操作での必殺技アクション・フィールドの日陰日向を使った必殺技の切替システム・複数プレイヤーでの協同バトル・防御反撃システムやハーモニーチェイン・パーティクラスなど。どれも凄く面白そうな要素だし、実際最初はすばらしく面白かった。しかしこちらも練り切れていない。
まず、バトルフィールドでの敵パターンがワンパターンなのである。折角主人公達に複数攻撃用の必殺技があるのに、バトルでの敵配置も地形も毎度お決まりで敵も3体しか出てこない。これでは複数攻撃技など宝の持ち腐れである。もっとわらわら出てくる敵を複数攻撃したり、ノックバックで有利な配置を作り出したり、そういう楽しみが欲しいところであった。
また、エコーシステムによる効果増強とハーモニーチェインは強力であるが、それゆえに、結局はエコーが溜まりやすい多段ヒット技しか使用せず単発技はお呼びでなくなる。
さらに、アイテムの存在が全く空気である。状態異常のエフェクトが弱いため、また敵が3体と少ないため回復するよりさっさとチェインで倒した方が早いからだ。さらにターン毎のキャラの操作時間が有限であるのに、必殺技の切替にボタン長押しでは辛い。
もっとも酷いのは、もらえる経験値が多すぎる事だ。甘すぎる。2,3回エンカウントするとすぐにレベルアップしてしまう。特に大所帯で、常にNEXT経験値が少ないキャラで戦うような全育て戦略では、本当に戦闘毎に誰かがレベルアップしているような状況なのである。
これらに関係して特に重要なのは、写真が高価すぎるという問題点だ。このゲームでは金を稼ぐにはアイテムを売る他は、戦闘中にビートで撮影した写真(必殺技の一つが写真撮影)をショップで売る事によりお金がもらえるのだが、その買取価格がバグではないのか?と思いたくなるほど異常に高額なのである。
例えば、新しい街で新しいショップに入って、すばらしく強力な剣があるとする。値段は1000Gだ。それなら暫く周辺でバトルして稼いで貯めたら購入できるよ、というのが相場のパターンだろうが、このゲームでは適当に撮影した写真が1枚6000Gなのである。桁を間違えた訳では無い事に注意して欲しい。回復薬が数百G、強力な武器でも数千Gの相場で、ピンぼけ写真が数千G、上手い写真なら数万Gで売れるのである。もうアホかと言いたい設定である。2,3回バトルでピンぼけ写真を撮りまくってショップで売れば、数十万Gはあっという間である。そうなれば当然アイテムなどすべてカンストまで購入できる。強力な全回復薬もカンストで保持しているから、敵の攻撃力を下げるだのめんどうくさいような弱小アイテムなどハナから使う意志も意味もなくなるのだ。武装だって最初から常に最強状態である。バトルの緊張感も何も消え去ってしまう。上記の相場であれば、ピンぼけ写真など0~数Gで、上手な写真で100Gぐらいが適切かなと思うのだがどうだろう。しかも普通にシステムを考えるとショップでフィルムを数Gで購入して撮影させることで撮影の緊張感と面白さが出るはずなのに、そういった事も皆無でまったく面白くない。無意味どころか有害なシステムと言わざるを得ない。
ゲーム制作におけるまとめ役の重要さ、そして大事なのは素材自体ではなくて素材をどう活かすかという総合力であると言う事が十二分に実感できる作品である。