天才柳沢教授の生活/山下和美 | 読んだり観たり聴いたりしたもの

天才柳沢教授の生活/山下和美

2年ほど前から妻とコツコツ読んできた。

最初は柳沢教授という奇人を笑うギャグユーモアものだと思ったが、実はそうではなかった。
初見、教授の振る舞いは確かに奇矯に見える。しかし奇矯なのは教授以外の人間なのだ。
教授はキチンと道路交通法に従って道を歩く。きっちりとしたそのアクションは笑いを誘うが、彼はルールを守っているだけであり、笑われるべきはルールを守らない事を常態としている自分たちなのだ。

教授は常に好奇心をもって行動している。彼の源泉にあるのは、人間とは何かを知りたい、という欲求だ。
人間とは、人間とは何かを考える生き物である、と定義するならば、彼以上に人間らしい人間はいないと言える。

作者は非常に努力して、この根元的な問いを作品に忍ばせ続けているので、作品にはしっかりと血が通っている感じがするのだと思う。

未完ながら24巻で止まっているようなので、ぜひ続きを描いて欲しいと思う。


山下和美
天才柳沢教授の生活