新しい高校化学の教科書/左巻健男/ブルーバックス | 読んだり観たり聴いたりしたもの

新しい高校化学の教科書/左巻健男/ブルーバックス

生物に続いて化学も読んでみた。大変面白かったが、生物にくらべるとやや落ちる感じ。
どうしても網羅的にしようとすると各ページは薄くならざるを得ない。
それでも、現代社会は化学の知識なくしてはあり得ないと言う点をもう少し強調して見てもよかったのではなかろうか。たしかに公害や環境問題に触れるのも重要だろう。化学物質の乱用による恐ろしさは肝に銘じる必要がある。しかし、そこを強調しすぎると、「化学なんて危険だから知らなくてもよい・やらなくてもよい学問」という印象を与えてしまう。むしろ次代を担う若者には、我々が生活できるのは化学のおかげなのだという点をこれでもかと突きつけた方がいいのではないかと思う。現代社会を支える科学技術や精緻な工業製品も、衣食住を満たすどんな品物も、美味しい食事も、汚れきった廃棄物も、木や森、川や海、地球も、このわたしの命までもが、たった100種類少々の原子の組合せだけで作られており、そしてそれらを正確に調べる方法・知識が存在するのだという事実ほど、衝撃を受ける事はないだろうと思うから。

 
左巻 健男
新しい高校化学の教科書