金色のガッシュ!!/雷句誠
サンデーで連載中のコミック。たまたま19巻セットを入手したので、まあ捨てる前に、位の気持ちでぱらぱら読み始めたら、これが久々のヒット。すっかりツボにはまった漫画でした。妻も最初は興味なさそうにしていたのだが、無理に薦めたら読み出してすっかり気に入っていた。基本的にゲームを楽しむ人にはぐっとくる漫画だと思う。
粗筋はこう。
魔界では1000年に一度、王を決めるために100人(?)の魔物の子供を人間界に送り出し、そこで競い戦わせ、最後の一人に勝ち残った者を王とする習わしがあった。この戦いにおいて、魔物は人間にはない魔法のような「力」を持っているのだが、力はそれぞれの魔物が持っている「本」に封じ込められており、「本」に書かれた呪文を読んでくれる人間のパートナーを得て初めて、力を発揮する事ができる。戦いの中などで本を燃やされると、魔物は強制的に魔界に戻され、王位をかけた戦いからは脱落する事となる。魔物はまず世界中からたった一人自分の本を読む事のできる人間のパートナーを捜し出すことから始めなければならない。主人公の魔物ガッシュ・ベルは人間界に来た時にイギリスで原因不明の記憶喪失となっていたが考古学者に助けられ、息子を鍛えて欲しいと頼まれ日本へ渡る。その考古学者を父に持つIQ190の中学生、高峰清麿はその高すぎる知能故同世代になじめず友達がいない冷めた少年だったが、ガッシュと出会い、熱い自分を取り戻していく。はじめは魔物の戦いに巻き込まれ困惑を隠しきれない清麿だったが、そんなガッシュへの友情から魔界の王位決定戦に臨んでいくこととなる。しかし降りかかる火の粉を払うように襲い来る敵と戦うなかで、二人はこの王位決定戦自体にだんだんと疑問を持つようになってゆく。多数の人や魔物を悲しませ辛い思いを強いるこの戦いは間違っている。わたしは、この間違った戦いを今回限りで終わりにするために、やさしい王様になるのだ!、そう決意するガッシュであった。
ガッシュの素晴らしいところ
・バトルに制限があるため返って戦闘の幅が広がるところ
戦いは基本的に、魔物+人間のペアを単位として行う制限のため、返って戦略性が高くなり面白い。人間が呪文を唱えない限り魔物は魔力を使えないので、チームワークが鍵となる。強大な魔力を持った魔物+弱い人間の組合せや、弱い魔物+頭脳に秀でた人間、仲違いしている魔物と人間など、いろんなパターンが考えられる。また本を燃やされる=一発K.O.なのも良い。非常に弱い魔物でも、こっそり近づいて本を燃やす作戦で、最強の魔物にも勝てる可能性がある。さらに、魔力は人間の心の力を源にしているため、無制限に使えるわけではなく、度重なる魔力の使用で心の力が消耗したり、戦いに望めない心理状態に人間が陥ったりすれば術は使えなくなる。つまり、強い術(=消耗が激しい)をバンバン使えば勝てるというわけでもなく、弱い術もそれなりに駆使しないと勝てない。
・戦略をきちんと描いているところ
力と力がぶつかって、パワーの強い方が勝ちました!もしくは、根性で勝ちました!といった少年漫画にありがちな単純な戦いの描写ではない。魔物と人間の特徴、魔力の特徴、バトルフィールドの状況などを十分説明した後、この呪文を唱えたらこうなって、次にこの呪文でこうなって、こういう状況だから最後にこの呪文をこのタイミングで唱えたら、こうなって敵を倒しました!という手順をきちんと描いているので、なぜ今回勝ったのか(または負けたのか)と言う事が非常に納得しやすく、また読んでいて楽しい。
・ギャグの思い切りがよいところ
基本的にガッシュはギャグ6割だと思う。よく漫画ではギャグが「おやくそくパターン」となりやすい。こういうシチュエーションではこういうギャグが入るなと読者の予想が付く通りに、ストーリーを妨げずギャグコマが1,2コマ入ってクスリというパターンだ。はっきり言ってこういうお約束ギャグはほとんど創作の放棄だ。ガッシュでは、ギャグに力を入れて頑張っている。本当にオリジナルの面白いギャグを入れている。しかも、わりとシリアスなストーリーの真ん中で、いきなり2ページも3ページもギャグを入れる作者の心臓はたいした物だと思う。力を入れすぎて空回りしているギャグも有るが、そんなことは気にしてはいけない。このギャグへの力の入れ具合は今後もぜひ継続して欲しい。
・上品ながらキャラクターに平等で容赦のないところ
激しい戦いの漫画だが、人が死なないのは上品でよい。しかし、作者はキャラに容赦がない。戦いで傷だらけ血だらけになる時は、女の子キャラであっても差別しない。主人公級の女の子キャラであっても、必要が有れば凄い必死の形相にでもちゃんと描き崩す。キャラにおおむね平等だから展開に安易な予想を許さない。
・筋の通った世界を読者の視点から描いているところ
設定に割と筋が通っていて受け入れやすい。例えば、ガッシュは雷撃呪文をつかう魔物だからその持ち技に磁石の効果を表す呪文がある、などである。ちゃんと種明かしに納得できるように創ってある。いきなり予想も付かない展開になったあげく、実はこうだったのだと新設定を説明されて、そんなん有りかよ~とがっくり来る事もあまりない。どちらかというとミステリ系の組み方だと思う。
・熱いタッチと力強い線画
絵のタッチが、必要十分+α程度に熱い感じで、非常に個人的には好みである。また勢いのある構図と線が素晴らしい。キャラのアクションもオーバー気味でしっくり来る。
とにかく非常に面白い漫画である。もっと早く読めばよかった。
粗筋はこう。
魔界では1000年に一度、王を決めるために100人(?)の魔物の子供を人間界に送り出し、そこで競い戦わせ、最後の一人に勝ち残った者を王とする習わしがあった。この戦いにおいて、魔物は人間にはない魔法のような「力」を持っているのだが、力はそれぞれの魔物が持っている「本」に封じ込められており、「本」に書かれた呪文を読んでくれる人間のパートナーを得て初めて、力を発揮する事ができる。戦いの中などで本を燃やされると、魔物は強制的に魔界に戻され、王位をかけた戦いからは脱落する事となる。魔物はまず世界中からたった一人自分の本を読む事のできる人間のパートナーを捜し出すことから始めなければならない。主人公の魔物ガッシュ・ベルは人間界に来た時にイギリスで原因不明の記憶喪失となっていたが考古学者に助けられ、息子を鍛えて欲しいと頼まれ日本へ渡る。その考古学者を父に持つIQ190の中学生、高峰清麿はその高すぎる知能故同世代になじめず友達がいない冷めた少年だったが、ガッシュと出会い、熱い自分を取り戻していく。はじめは魔物の戦いに巻き込まれ困惑を隠しきれない清麿だったが、そんなガッシュへの友情から魔界の王位決定戦に臨んでいくこととなる。しかし降りかかる火の粉を払うように襲い来る敵と戦うなかで、二人はこの王位決定戦自体にだんだんと疑問を持つようになってゆく。多数の人や魔物を悲しませ辛い思いを強いるこの戦いは間違っている。わたしは、この間違った戦いを今回限りで終わりにするために、やさしい王様になるのだ!、そう決意するガッシュであった。
ガッシュの素晴らしいところ
・バトルに制限があるため返って戦闘の幅が広がるところ
戦いは基本的に、魔物+人間のペアを単位として行う制限のため、返って戦略性が高くなり面白い。人間が呪文を唱えない限り魔物は魔力を使えないので、チームワークが鍵となる。強大な魔力を持った魔物+弱い人間の組合せや、弱い魔物+頭脳に秀でた人間、仲違いしている魔物と人間など、いろんなパターンが考えられる。また本を燃やされる=一発K.O.なのも良い。非常に弱い魔物でも、こっそり近づいて本を燃やす作戦で、最強の魔物にも勝てる可能性がある。さらに、魔力は人間の心の力を源にしているため、無制限に使えるわけではなく、度重なる魔力の使用で心の力が消耗したり、戦いに望めない心理状態に人間が陥ったりすれば術は使えなくなる。つまり、強い術(=消耗が激しい)をバンバン使えば勝てるというわけでもなく、弱い術もそれなりに駆使しないと勝てない。
・戦略をきちんと描いているところ
力と力がぶつかって、パワーの強い方が勝ちました!もしくは、根性で勝ちました!といった少年漫画にありがちな単純な戦いの描写ではない。魔物と人間の特徴、魔力の特徴、バトルフィールドの状況などを十分説明した後、この呪文を唱えたらこうなって、次にこの呪文でこうなって、こういう状況だから最後にこの呪文をこのタイミングで唱えたら、こうなって敵を倒しました!という手順をきちんと描いているので、なぜ今回勝ったのか(または負けたのか)と言う事が非常に納得しやすく、また読んでいて楽しい。
・ギャグの思い切りがよいところ
基本的にガッシュはギャグ6割だと思う。よく漫画ではギャグが「おやくそくパターン」となりやすい。こういうシチュエーションではこういうギャグが入るなと読者の予想が付く通りに、ストーリーを妨げずギャグコマが1,2コマ入ってクスリというパターンだ。はっきり言ってこういうお約束ギャグはほとんど創作の放棄だ。ガッシュでは、ギャグに力を入れて頑張っている。本当にオリジナルの面白いギャグを入れている。しかも、わりとシリアスなストーリーの真ん中で、いきなり2ページも3ページもギャグを入れる作者の心臓はたいした物だと思う。力を入れすぎて空回りしているギャグも有るが、そんなことは気にしてはいけない。このギャグへの力の入れ具合は今後もぜひ継続して欲しい。
・上品ながらキャラクターに平等で容赦のないところ
激しい戦いの漫画だが、人が死なないのは上品でよい。しかし、作者はキャラに容赦がない。戦いで傷だらけ血だらけになる時は、女の子キャラであっても差別しない。主人公級の女の子キャラであっても、必要が有れば凄い必死の形相にでもちゃんと描き崩す。キャラにおおむね平等だから展開に安易な予想を許さない。
・筋の通った世界を読者の視点から描いているところ
設定に割と筋が通っていて受け入れやすい。例えば、ガッシュは雷撃呪文をつかう魔物だからその持ち技に磁石の効果を表す呪文がある、などである。ちゃんと種明かしに納得できるように創ってある。いきなり予想も付かない展開になったあげく、実はこうだったのだと新設定を説明されて、そんなん有りかよ~とがっくり来る事もあまりない。どちらかというとミステリ系の組み方だと思う。
・熱いタッチと力強い線画
絵のタッチが、必要十分+α程度に熱い感じで、非常に個人的には好みである。また勢いのある構図と線が素晴らしい。キャラのアクションもオーバー気味でしっくり来る。
とにかく非常に面白い漫画である。もっと早く読めばよかった。
- 雷句 誠
- 金色のガッシュ!! (1)