タトゥーママ/J・ウィルソン | 読んだり観たり聴いたりしたもの

タトゥーママ/J・ウィルソン

ジャクリーン・ウィルソン4冊目。
かなり良作。主人公ドルフィンの痛々しく傷つく心の弱さと、それにめげない子供の持つ本来的な強さがない交ぜになった表現がよかった。
ドルの母親である、表題のタトゥーママは、躁気味のテンではちゃめちゃな女性だ。仕事の約束も守らず収入もないので母子3人で生活保護を受けて暮らしている。自分の欲望のままに生き、子供の気持ちを考える事もない。それでも、なぜか憎めない。
ドルフィンは、母親を恐れながらひたすら愛しているし、まともでないと分かっていながら、まともになって欲しくないとも思っている。姉のように母親の人間性を批判する視点はまだ明確にはない。ただ3人で楽しく暮らす事だけをのぞんでいる、そんな幼少期の視点をありのままに、そして大切に貫いて物語られる。
読み始めると、主人公より、読者の方が心配し疲れてしまう、そんな本だ。不思議な魅力があり読み終わっても長く記憶に残る。

 
ジャクリーン ウィルソン, Jacqueline Wilson, Nick Sharratt, 小竹 由美子, ニック シャラット
タトゥーママ