6ステイン/福井晴敏 | 読んだり観たり聴いたりしたもの

6ステイン/福井晴敏

著者の初短編集ということでふらっと読んでみた。
またしても市ヶ谷自衛隊諜報部隊!いい加減にしろという怒りを通り越して、よくまあ別冊宝島で得た知識をそこまで使い回せるなと、その省エネ精神に脱帽した。
内容は短編だが連作というか、主人公が別の話では脇役となり顔を出すという形式。最終話でイージスの主役が出てくるのだが、そっちの本を読んでない人には意味不明の演出で、読んでいた自分でもそれはないだろうと白けた。そういう楽屋落ちはせめてハインラインぐらいの大物が晩年にやってようやく許されるような気がするのだが。
設定が類似なので、主人公はどれも似たり寄ったりで区別できない。物語にぐいぐい引き込むと言うよりは、筆者にぐいぐい押されて読まされている感じで、読後に軽い疲労感を覚える。
著者の他の著作を読んだ人なら、よほどのファンでなければ特に読む必要もないだろう。
他の種類の話が読みたいものだ。

福井 晴敏
6ステイン