美の思索 生きられた時空への旅/石井洋二郎
美とは何か?美的体験とはどういうことか。著者が造詣の深いフランス各地・各時代から切り取った美的体験の旅路を巡る書籍。
ここで取り上げられる「美」は次のとおり。ドルドーニュ ラスコーの壁画。ヴェズレー サント=マドレーヌ教会堂。ノルマンディ モン=サン=ミシェル修道院。コルマール グリューネヴァルトのキリスト磔刑図。オートリーヴ シュヴァルの理想宮殿。セート ヴァレリーの墓。
フランス文化・歴史・そして文学的教養に乏しいため、著者の言わんとするところが理解しがたい部分も多数あったが、そんなことには気にせず、つらつら読んでいるだけで、広大なフランスをぐるりと周る美の巡礼が楽しめるというところが、まずよかった。
その内容はさておいても、これだけの解説つきで各地を経巡る実体験は、なかなかできるものではないだろう。しかも、書籍のいいところは、距離もそして時間さえも自由に飛び越え、興味の赴くまま行きたい所へゆけることだ。
次に内容について。
著者が言う美とは、他を持って代え難く、かつそれ自体で説明する余地のないぎりぎりの存在。ということであるので、そもそも美とは語れるものではなく、こうして文章にできうるものは、文字通り美の思索でしかない。これは非常に納得できる言葉だった。
書籍中に出てくるフランスの歴史的建造物の保存にまつわる文章を読むと、日本とはそうした歴史遺産に対する認識がまったく質的に違うのではないと思える。数十年ときには数百年をかけてそうした建造物を修復し、予算をかけて保存して行こうとすることは、明確な理解と認識がなくてはなしえない。これでは観光に訪れる外国人の数に天と地ほどの差があっても当たり前だ。
また、宗教-キリスト教が文化に深く深く根ざしている点も良く分かった。とくに異教徒に何度破壊されても再建を繰り返して現在に至るサント=マドレーヌ教会堂など、宗教的脅迫感のすさまじさを感じる。
個人的に最もよかったのは、シュヴァルの理想宮殿か。モン=サン=ミシェル修道院にも行ってみたいと思う。著者: 石井 洋二郎
タイトル: 美の思索 生きられた時空への旅
ここで取り上げられる「美」は次のとおり。ドルドーニュ ラスコーの壁画。ヴェズレー サント=マドレーヌ教会堂。ノルマンディ モン=サン=ミシェル修道院。コルマール グリューネヴァルトのキリスト磔刑図。オートリーヴ シュヴァルの理想宮殿。セート ヴァレリーの墓。
フランス文化・歴史・そして文学的教養に乏しいため、著者の言わんとするところが理解しがたい部分も多数あったが、そんなことには気にせず、つらつら読んでいるだけで、広大なフランスをぐるりと周る美の巡礼が楽しめるというところが、まずよかった。
その内容はさておいても、これだけの解説つきで各地を経巡る実体験は、なかなかできるものではないだろう。しかも、書籍のいいところは、距離もそして時間さえも自由に飛び越え、興味の赴くまま行きたい所へゆけることだ。
次に内容について。
著者が言う美とは、他を持って代え難く、かつそれ自体で説明する余地のないぎりぎりの存在。ということであるので、そもそも美とは語れるものではなく、こうして文章にできうるものは、文字通り美の思索でしかない。これは非常に納得できる言葉だった。
書籍中に出てくるフランスの歴史的建造物の保存にまつわる文章を読むと、日本とはそうした歴史遺産に対する認識がまったく質的に違うのではないと思える。数十年ときには数百年をかけてそうした建造物を修復し、予算をかけて保存して行こうとすることは、明確な理解と認識がなくてはなしえない。これでは観光に訪れる外国人の数に天と地ほどの差があっても当たり前だ。
また、宗教-キリスト教が文化に深く深く根ざしている点も良く分かった。とくに異教徒に何度破壊されても再建を繰り返して現在に至るサント=マドレーヌ教会堂など、宗教的脅迫感のすさまじさを感じる。
個人的に最もよかったのは、シュヴァルの理想宮殿か。モン=サン=ミシェル修道院にも行ってみたいと思う。著者: 石井 洋二郎