ユンカース・カム・ヒア | 読んだり観たり聴いたりしたもの

ユンカース・カム・ヒア

BS2で放送していたので途中から何気なく観た。
原作などの関係から名前だけはよく聞いていたが実際見るのは初めてだった。なぜが、1シーンをチラッと見たときに、そこにいる犬が「あ、ひょっとしてこいつユンカースだな」と感じたので観ていたら、やっぱりそうだったのでびっくりした。
ストーリーはありがちで予想が付きがちな、裏返せば親しみやすいといえなくも無い、無難なものだった。
しかし、映像表現は、思いがけずすばらしいものだった。
まず、人物が、シンプルなラインと彩色で描かれ目鼻も小さいのに、意外にもとても情感にあふれていた。エキストラや背景のアニメーションもよく見るとかなり凝ったことをしているようだった。背景は、パステル画のような雰囲気を感じるほど、画用紙の質感を残したとでも言うような感じで、淡く淡く描いてあった。これが非常に人物の造作にマッチするのだった。
山場の、ユンカースの奇跡で主人公ひろみが光に包まれて飛翔するシーンには驚いた。ここでは光のシャボン玉をかなりベタっと塗っていて、今まで淡い映像に慣れていたために、それがとてつもなく鮮明に感じるのだった。ここまで取って置いた、という感じ。また飛翔シーンでは、背景の町並みを書き殴った様な粗い線画としていたが、背景のリアリティーを落とすことで、かえってこの奇跡のリアリティーを増していると感じた。そして、一瞬だけ移るひろみの横顔のシーンでは、顔のセルの線を描いていないように見えたが、それが、すごいリアリティーを感じさせるのだった。凝った事やってるなあと感心した。
よって、総合としては結構好きでお薦めということになるかな。おもひでぽろぽろよりは、こちらが良いと思う。機会があればもう一度観たい。