プロローグ「25年目のシルクロード」/NHK総合 | 読んだり観たり聴いたりしたもの

プロローグ「25年目のシルクロード」/NHK総合

2005年1月1日放映。

NHK放送開始80年、シルクロード放送25周年を記念して制作・放映されるシリーズ番組、新シルクロードの紹介番組。

2部構成になっており、第1部は25年前の映像に登場した人物の消息を訪ね、第2部は、番組の音楽に焦点を当てた構成だった。

第1部では、とにかく成長著しい中国の底力と変容を見せつけられた。25年前、取材班の乗り付けた自動車を、集まってきた群衆が物珍しげに見つめていた広場が、今や複数車線のロータリーになっていた。また、玉を探して老人が裸足で歩いていた河原のきれいな浅瀬は、実力者がヘクタール単位で買い付け、重機で掘り返す採掘所になりはてていた。南喬鉄道のSLがたどり着く駅舎さえなかった最果ての鉄道兵の街は、観光車両を引くディーゼル機関車が並ぶ、鉄道の要衝として大きな街になっていた。月日は移り変わる。25年の歳月を実感することは、20代の頃は当然ながら、なかった。30を過ぎてから、四半世紀の単位の時間の流れを、肌にしみて感じるようになった。

第2部では、音楽監督として迎えたチェリストのヨーヨー・マと彼が結成したシルクロードアンサンブルのメンバーが登場。テーマ曲・挿入曲の演奏とインタビュー、そして、シルクロードアンサンブルの結成から番組音楽の作成ドキュメントで構成されていた。番組のために結成し音楽を作成したのかと思っていたが、さにあらず。かつてのシルクロードのように東西の音楽家の交流を深め、ひいては人類共通の言語である音楽を通じて人類の相互理解を深めようと言う、ヨーヨー・マが実践していた理念を番組に持ち込んだもののようだ。まさにうってつけ。
楽曲はどれも素晴らしい出来映えだ。またその作成過程やその曲に込められた想いが、裏側としてかいま見られたのも興味深かった。
テーマ曲も良いが、番組最後にスタジオ演奏した「キャラバンらサライの夜」がまた特に良かった。番組音楽という縛りを超えて、今その場で演奏されている臨場感がまさにこの曲を引き立てていた。パーカッションが特に秀逸だと思う。サントラCDは購入予定だが、「この」演奏は入っていないだろうと思うと、とても残念なほどだった。