生涯最高の失敗/田中耕一 | 読んだり観たり聴いたりしたもの

生涯最高の失敗/田中耕一

2004年1月8日読了。

ノーベル化学賞受賞者でかつサラリーマンの自伝および講演録とインタビューで構成された本。時の人となった著者の、数ある紹介本との決定的な違いは、自著である、と言う点。美化するでもなく、上っ面をなでるだけでもなく、著者の本音が静かに語られる。

いきなりスポットライトの元へ放り出された一主任の、ノーベル賞どたばた顛末記も面白いが、著者の心情変化と受賞を機に生まれる決意が胸を打つ。

生涯一技術者。その言葉に込められた、我々の技術が社会を動かしているんだという理系技術者の矜持と、そして純粋に科学技術に対する愛と信頼が、静かに伝わってくるのだ。

著者: 田中 耕一
タイトル: 生涯最高の失敗