)2010.11.3 00:38
このニュースのトピックス:ロシア・CIS
【モスクワ=遠藤良介】ロシアのメドベージェフ大統領が旧ソ連・ロシアの国家指導者として初めて日本の北方領土を訪れた問題で、ロシアでは2日、領土問題の歴史的経緯や対日関係を一顧だにしない高官の発言が相次いだ。ソ連崩壊後の1990年代、露指導部には旧ソ連が北方四島を不法占拠した歴史を少なくとも真摯(しんし)にとらえる空気があったのに対し、現政権は領土問題の存在すら認めなかったソ連時代に“先祖返り”したに等しい。
日本とソ連は1956年の日ソ共同宣言で国交を回復した。同宣言は平和条約の締結後に色丹、歯舞の2島を引き渡すと明記。当時の交渉では外交関係の回復が優先され、残る択捉、国後両島の帰属を含め、平和条約締結交渉はその後に継続されることになった。
しかし、ソ連は60年の日米安全保障条約改定に反発し、日本領からの外国軍撤退を2島引き渡しの条件にすると通告。以後のソ連は基本的に領土交渉に応じない立場をとる。
ソ連崩壊後の1993年、「法と正義に基づく四島の帰属問題の解決」をうたった「東京宣言」が転機となった。当時のエリツィン露大統領自身が共産主義からの決別を真剣に願い、側近には確信的な四島返還論者もいたことが大きい。