妄想

今日はケビンがお手製のチャイニーズをご馳走してくれる日です。

ママは朝から早くケビンの家に行きたくてたまりません。

ケビンがママを彼女にしてから少し時間が経ちました。

その間にあの花柄のベッドカバーは処理した事でしょう。

ケビンが過去とお別れしたその部屋で

今日は二人の初めての夜を迎えるかもしれません。

ママはもしもを考えて

引き出しの奥にしまったレースの下着を手にしました。

バッグには携帯用の歯ブラシ、化粧落とし、替えの下着

今晩用の便秘薬まで入れました。

不意の泊まりは大変醜い事になる。そう勉強したからです。

ケビンの部屋に入ったらどうすれば良いでしょうか?

寝室はあえて見ない方が良いでしょうか?

もし花柄のベッドカバーでなかったら

「前のはどうしたの?」

と聞いても良いでしょうか?

それとも何も聞かず何も見ず

その場に身を委ねるべきでしょうか?

ママはたくさんの妄想をしました。

ケビンとは地元の駅改札口で待ち合わせをしました。

「チャイニーズ出来ているよ」

ケビンがニヤニヤしながら言いました。

「作るの大変だったでしょ?」

「大丈夫!アメリカンチャイニーズだもん」

やっぱりそうです。そうでしょうとも。

あっという間にケビンの家に着きました。

さぁ待ちに待った瞬間です。

ママは心臓がバクバクしました。

どうか、どうか

ピンクのスリッパも冷蔵庫のお花シールも

花柄のベッドカバーと枕カバーも

一切ありませんように。

そう願ってドアの中に入りました。

続きは明日音譜