マッサンに続いて通して見た朝ドラ「とと姉ちゃん」は終わってしまいましたが……
大河ドラマ「真田丸」はいよいよクライマックスに近づいてきました。
九度山に蟄居中の信繁のもとに、豊臣方として大阪城への入城をうながす使者が……
おだやかな生活を失いたくない信繁でしたが、ここまで常識人(?)として信繁の行動をいろいろ批判してきたきりが、今度は信繁の背中をおす形に。この展開は意外でした。
過去のいろいろな場面を思い返して、旅立ちを決意する信繁。大河ドラマのいいところは、ちゃんと過去が重みとして迫ってくるところです。
現在のわれわれから見れば、この決断は間違っていることはわかるのですが、その当時の信繁からすれば、勝算はあったのだと、信じたいです。
さて、真田信繁(幸村)の別の決断を描いた『仙台真田氏物語―幸村の遺志を守った娘、阿梅』(堀米薫 くもん出版)という作品を、ちょうどいいタイミングで読むことができました。
ドラマにも出てくる信繁の娘、阿梅(おうめ)が主人公です。
大阪城で死を覚悟した幸村(信繁)は、娘をとある武将に託すことにします―武将に助けられ、徳川の追及を逃れ、真田氏のため誇り高く生きていく阿梅の姿が描かれます。
「仙台真田氏」という家が存在することを、私はこの本を読むまで、知りませんでした。一部の人や地方にとっては常識のことでも、それが取り上げられ、物語として語られることは、多数の人に新鮮な影響をあたえます。歴史小説、仕事小説、スポーツ小説、紀行など、いろいろな分野でそれはいえると思います。この本を読んで、あらためてそれを感じました。
これから「真田丸」で放映される大坂の陣についても、平易に書かれていますので、予習としても楽しめる本ではないでしょうか。