あるごろつきの、ある朝の出来事 | 日々を生きる。~大切なものを失って得たもの。

あるごろつきの、ある朝の出来事

朝、職業訓練校に向かっていた。

日課となった弁当作りが、唯一の楽しみのようなもので。

そんな自分がひどく現実離れしたように思えて。

微かな罪の意識が頭の隅にあって。

なんてこった。

俺はごろつきなんだぜ。

呑気に弁当作ってる場合じゃないだろう。

カーステレオから流れるノラジョーンズの歌声が心地よかった。

早朝の澄んだ空気が吸いたくなって。

窓を開けると、

排気ガスの匂いに面食らって。

ウインドウを閉めた。

なんてこった。

ぼくは釈迦の言葉を思い出す。


詰まらぬものを楽しんだりするな。

お前が目指しているものこそ、

お前の真のよろこびとなるように。


なんてこった。


俺はたんなるごろつきに成り下がっちまった。