男と女 | 日々を生きる。~大切なものを失って得たもの。

男と女

女は不満だらけだった。

何故、わたしを正当に評価してくれないのか、と。

家事をこなし、

子供達の面倒をみて、

夫を毎朝駅まで送り届けたり。

精一杯頑張っているのに。


夫の方はというと、

何故妻は、僕を認めてくれないのか、と思う。

もっと優しくなって欲しい。

もっと、収入が多ければ、

隣の旦那さんの様に、休みにはキャンプに連れて行ってくれたら、

とてもとても素敵な旦那様なのに。

夫はただ、ありのままの自分を受け入れて欲しいだけなのだった。

風呂上がりに、下着一枚のままテレビをみたり、

キャンプよりも、スキー場や釣りに行きたいと思ってる事を。

家にいる時くらい、だらしなく振る舞いたい事などをわかって欲しかった。


ふたりは、

お互いを深いところで理解しようとせず、

また、

お互いを深く知りたいとも思わず、

相手への倦怠が、

不満へと変わってゆく。


ふたりは数年後か、

数十年後か、

はたまた、死ぬ直前か。

いずれにしても、

気づく時がやって来る。


自分の利益を優先するあまり、

相手を批判することに終始し、

お互いがお互いを理解するという発想が欠如していた事を。