はじめての登山 第一話
深夜家を出て、早朝、登山口に到着した。
私の他に二台車があった。
外はまだ暗かった。

5時を過ぎ、外が明るくなった頃、
私を除く他の二台の登山者は山へ向かったらしい。
私はザックを背負い、
登山道へ入った。


まず始めに森を抜け、沼に出なければならなかった。
最初の行程で、
岩が露出した結構な斜面を登らなければならず、
おまけに雨上がりで濡れていたため、
それなりに大変な思いをしながら、
森の中を進んだ。
私は何故か、
映画ランボーの、
ランボーがナイフ一本で逃げ込んだ、
あの森を連想した。
そう、
男が逃げ込む場所にはちょうど良い。
勿論、私ではなく、
サバイバル能力を備えた、
本物の男ならば、だが。
帰りもこの道を下るのか、と思う。
何カ所かは、登れはしたが、
下れない、と思えるような急峻な斜面もあった。

地図を確認する。
ちっとも進んでいないじゃないか。
なだらかな斜面を歩いているときは問題なかったが、
がれ場を這い上がるような斜面が続くと、
息が上がった。
途中、何度も立ち止まり、
ペットボトルの水を流し込んだ。
「山頂まで行けるのかよ。こんな調子で」
やがて、沼へ出た。
そこから見える山肌は、
普段みる景色と明らかに違っていた。
どこかへ旅行して、
展望台からみるような、
いわゆるきれいな景色がそこにあった。

つづく
私の他に二台車があった。
外はまだ暗かった。

5時を過ぎ、外が明るくなった頃、
私を除く他の二台の登山者は山へ向かったらしい。
私はザックを背負い、
登山道へ入った。


まず始めに森を抜け、沼に出なければならなかった。
最初の行程で、
岩が露出した結構な斜面を登らなければならず、
おまけに雨上がりで濡れていたため、
それなりに大変な思いをしながら、
森の中を進んだ。
私は何故か、
映画ランボーの、
ランボーがナイフ一本で逃げ込んだ、
あの森を連想した。
そう、
男が逃げ込む場所にはちょうど良い。
勿論、私ではなく、
サバイバル能力を備えた、
本物の男ならば、だが。
帰りもこの道を下るのか、と思う。
何カ所かは、登れはしたが、
下れない、と思えるような急峻な斜面もあった。

地図を確認する。
ちっとも進んでいないじゃないか。
なだらかな斜面を歩いているときは問題なかったが、
がれ場を這い上がるような斜面が続くと、
息が上がった。
途中、何度も立ち止まり、
ペットボトルの水を流し込んだ。
「山頂まで行けるのかよ。こんな調子で」
やがて、沼へ出た。
そこから見える山肌は、
普段みる景色と明らかに違っていた。
どこかへ旅行して、
展望台からみるような、
いわゆるきれいな景色がそこにあった。

つづく