ダウンロードコンテンツか、物か? | 日々を生きる。~大切なものを失って得たもの。

ダウンロードコンテンツか、物か?

物が目の前に存在するも、しないも同じ事である。


そんなことを釈迦も言っていた気がする。



私はラジオから流れる曲に、

思わず涙した。

プリシラアーンのカントリーロードだった。

この曲はジブリアニメの「耳をすませば」の、

劇中挿入歌で、

カントリーロードの日本語訳詩を映画の中で主人公自身が歌っていた。


それをプリシラアーンが、ほぼ完璧な日本語で歌っている。



透明で、

優しく、

どこか憂いのある歌声。



おもいきり、私の琴線に触れてくるのだった。



私は帰宅すると、コンピューターを起動し、

iTunesを立ち上げた。

検索するとすぐに見つかった。


1500円だった。

目当ての曲だけならば150円。


私は買わなかった。


近所の本屋とレンタル屋が一緒になった店に行き、

CDを探した。

案の定売ってなかった。


そして、CDの品揃えが恐ろしく少ない事に驚いた。

時代はダウンロードコンテンツ全盛なのだ。


私の世代の人間は、「物」にこだわりすぎるのか?

私の友人も、楽曲を積極的にダウンロードする事に抵抗があるという。


そう、

バブルを垣間見(恩恵にはあずかれなかった)

物質文明万歳な時代を経験している我々は、


物として、

手に持てる。


所有感が欲しいのかもしれない。


私はその後、Amazonで検索をかけた。


幸せのみつけ方/プリシラ・アーン

¥2,300
Amazon.co.jp


2300円だった。


800円の差。

物としての所有感を満たすためだけの、

価格差なのか?

そして、iTunesの方が、

どうやら一曲多く収録されている気配だった。



考えてみるとダウンロードしたデータは、


有か、

無か?


データを再生すれば音は出る。


データを何千、何万曲メモリに入れても、

重量は変わらない?
(実際にはどうなのだろう?)

重量が無いと言う事は、

もはや物質ではないのだろう?

つまり、

物ではないのだ。


私はいつも、

つまらない事を考える。



この世は疑問ばかり。


首を傾げないでいられる日など、

一日たりともないのだ。



疑問を抱き、

考える。


そうしている間だけ、

私たちは、人間だと自覚できるのかもしれない。





という訳で、


今回は、iTunesで。

という具合に、考えている。