頭痛 | 日々を生きる。~大切なものを失って得たもの。

頭痛

三日間頭痛が続いた。

その日。

俺は残りの有給と、

仕事の状況と、

実質、実入りに変化が無いことを確認し、


仕事を休んだ。



それから病院へ行った。



以前、指の腱を断絶したときに行った病院で、

内科も併設されていた。


総合病院に行くつもりは無かった。


とんでもなく待たされた挙げ句、

若い医師が登場し、

ぞんざいな診察に終わるのがオチだからだ。


俺が行った個人病院の医師は五十代で、

偏頭痛に対しても、十分な診断ができるようだった。


話を聞いていてそう思った。


以前、でかい病院へ行ったとき、


MRIへ送り込まれ、

結果なにも異常はなく、頭痛があるときに来てくれないと、

診断は不可能だと言われたことがあった。


その個人病院の五十代とおぼしき医師は、

俺の症状を聴き、どのタイプの偏頭痛かを特定すると、

それに対応する薬を処方してくれた。


一錠千円もするという。

保険適用で三百円だった。


ただし、

この薬剤は、頭痛が始まった直後に飲まなければ効力を発揮しづらいらしい。

「今も痛いのですが、飲んではいけないのでしょうか?」

「初めて飲むから、効果が出るかもしれないけれども」

俺は会計を済ませ、

外に併設された薬局で処方箋を出して薬を受け取ると、

街へ向かった。


頭痛は消えなかったが、何故か多少痛みは引いているような気がした。

ブラシーボ効果なのだろうか?

それでも、

痛みが完全に消えるということは無かった。


俺は思い立ち、車のオイル交換を済ませ、帰宅した。


一錠三百円。

今飲んでも効かないかもしれないのに、飲むのはもったいない。


貧乏性、だな。


それでも、

いつまでも痛みは消えず、


俺は一錠飲むことを決断した。


(薬は二種類処方され、通常の痛み止めもあったが、それはやはり効かなかった)



痛みが出て三日目だった。


自然治癒か。

それとも、

薬の効力か。


大仰なケースに入った二錠のうちの一錠を飲み下した。



まもなく、頭痛は消えた。