詩「明け方観た、夢」 | 日々を生きる。~大切なものを失って得たもの。

詩「明け方観た、夢」

$日々を生きる。~モラルハラスメント。離婚。解雇。そして、これから。-IMG_4639.jpg


夢。

思い出せなかった。

二度寝する前、

面白い夢を観ていたが、

夢ノートへ書き取る前に、


霧散した。


忘れる前に書き写せば良かったものを。



冷蔵庫から梨を一つ。

半分に、

四分の一に、

八分の一に、

そして、

皮を剥いて、口に放り込む。


すべての動作が、

細かく切り取られ、

俺はそれを人ごとのように、

眺めていた。


まるで映画だった。


ばりばりとという音が聞こえた。


「くそったれが!」


猫がまたもやカーペットで爪を研いでいる。

「ちゃんと爪研ぎでやれって何度言ったらわかるんだ!」

猫の腰のあたりを引っぱたくと、

参ったとばかりにころりと床に這いつくばり、

ぐるぐると鳴き声をあげた。


くそったれ猫め。


それでも、


あまりのかわいさに、

俺は猫を抱き上げ、

無理矢理頬擦りをする。


くそったれ猫の、


ぐるぐるが止まった。


思い出せない夢。


そして、叶えられない夢。


どちらも、

ここにないという意味では、

同じようなものだった。