手書きとワープロ。あなたはどちらがお好き? | 日々を生きる。~大切なものを失って得たもの。

手書きとワープロ。あなたはどちらがお好き?

ある日のこと。

俺は飯を食いに行き、そこでコーヒーを飲みながら散文を書いた。

ノートパソコンなど持っていないので、ダイソーで買った安物ノートに、シャープペンシルだった。

帰宅し、そいつをキーボードに打ち込むと、とんでもなく出来が悪かった。

コンピューターで打った他の文章と比べても、まったくだめだった。

それでも俺は、ブログにアップした。

少し直しただけで。



大分昔に、ある作家がワープロなど使わないと雑誌のインタビューで言っていた。

理由は、手書きに比べてダイレクト感がないから、というもの。

頭の中の宇宙を、余すところ無く表現する事が出来ないと言ったところか。


それは、結局は、相性なのだろうか。


俺はキーボードで書いた方が速いし、感覚的にダイレクトのような気がするのだった。




紙と鉛筆。



小説や散文を書くには、向かない。俺の場合は。




所詮は道具なのだ。


鉛筆も。

原稿用紙も。

コンピューターも。



気持ちよく使えるものを、選ぶだけだ。



俺は今これを、自室のパソコンで書いている。

ブラウザーで立ち上げたブログに、直接だった。

たいして校正などせずに、あげてしまう。


いつものやり方だった。


そして今日も、とんでもなく出来の悪い散文だった。

まあ、しかたがないよね。




窓の外の曇り空から、風の音が聞こえた。

窓は開け放たれていた。

何かの悪臭がした。

それは、家の中からだった。


うんざりするほど、静かだった。


それでも、昨日よりは良い日になるだろうと、願わずにはいいられなかった。

事実。

ほんの少しだけ、気分が良かった。