詩「原因と結果~因果律」
先生、あなたは言いました。
汝の置かれた現状は、すべてあなたの行い、「原因」の結果です。
不自由な結婚生活。
娘の母親から蔑まれ、
睡眠時間すらほとんどなく、
やりたいことをする時間も、
金もない。
これらはすべて、汝の、過去の怠惰な生活の結果である。
おお、なんてことだ。
更に遡り、遠い過去の、前世の不心得も、現在のあなたを形作っている。
おお、なんてことだ。
これからは、前世を含めた過去の行いを悔いて、神に祈らなくてはならない。
ん?
まてよ?
おかしいだろう?
過去は変えられない。
過去に遡り、原因を変えることなど出来はしない。
冗談じゃない。
それでは、救いようがないじゃないか。
俺の人生は、来世をより良く生きるのための、修行の場か?
ふざけんじゃねえよ。
そんな戯言。
原因があり結果がある。
それは揺るぐことのない、宇宙の法則だ。
しかし、俺自身が「結果」だなんて、思いたくはないんだよ。
俺は、「結果」なんかじゃない。
俺は、
すべての事象の「原因」なのだ。
そう考える以外に、
方法はない。
前に進むためには。
