空も、俺を笑ってる。 | 日々を生きる。~大切なものを失って得たもの。

空も、俺を笑ってる。

日々を生きる。~妻よ。おまえはいったい何を望んでいるのか。-20091102.jpg

空が割れていた。

遙か前方に望むその光景は、まるで、空に出現した地平線だった。

暗雲が引き裂かれ、そこから、日の光が差し込んでいる。

白と黒のコントラスト。

その悪魔的な光景は、この世の終焉を予感させた。


人々は何故、「滅び」に魅了されるのだろうか。


1999年に、人類は滅亡すると本気で喧伝する輩がいたが、結局は何も起きなかった。

またしても、彼らが熱狂するときが来るだろう。

今度は、2012年だ。



俺は、空を見続けていた。

不穏な空模様だった。

雲の動きに、魅入られていく。

ゆっくりと、何かの意図を持ったかのように、雲があるものを形作っていった。


……。

……?


俺は、雲に視線を固定したまま凝然となった。


雲が形作ったもの。


それは、顔だった。


俺を嘲笑しているのか?

俺はその顔を、携帯のカメラを起動させ、撮った。