それでも、人か | 日々を生きる。~大切なものを失って得たもの。

それでも、人か

俺はいつも腹が減っていたし、ゆっくり風呂に入る時間もなかった。

缶コーヒーすら買えなかった。

金を持っていないからだ。

職場で、水道の水を飲むだけだ。

家にも飲み物は無かったが、娘の母親が、コーヒーを飲んでいる気配はあった。

しかし、コーヒーなどどこを探しても見つけられなかった。


そして、


娘とその母親は、温泉へ行き、外で外食だった。

娘は、母親に口止めされていたようだが、何故か俺にそのことを話してくれた。


俺は、考えていた。

一体全体、俺は何の為にこの世に存在するのか、と。

俺は、何をするために、生まれてきたのか、と。


そんな思索をただ無闇に繰り返し、一日が暮れていった。