空腹、時々、飯 | 日々を生きる。~大切なものを失って得たもの。

空腹、時々、飯

家に帰宅した時、飯はあるのかと、いつも心配していた。

腹が減ったままで寝ることは出来ない。

かといって、一から飯の支度をする時間もなかった。

睡眠時間が三時間を切る、ということになるからだ。



連休中、娘の母親と娘はどこかへ泊まりがけで出かけていた。

俺はその間、釜の中の飯を喰い繋いだ。


卵を焼いたり。

マヨネーズを飯に振りかけたりして。

それでも、何も喰わないよりはましだった。


連休最後の夜、俺が家に帰ると、娘の母親と娘が帰宅していた。

飯があることを期待したが、何もなかった。

仕方なく、米を研いだ。

炊き上がるまでの時間、空腹に耐えなければならなかった。

空腹を紛らわす為に飲む、酒すらもなかった。


その日。

俺は何も口にしていなかった。


冷蔵庫の中に豆腐があった。

おかずはこれでと思ったが、キッチンの上にはゴーヤが二つ転がり、俺に何かを語っていた。

俺は豆腐を諦めるしかなかった。

冷蔵庫の中。

俺が手をつけて良いものなど何一つも無かった。


飯が炊き上がり、マヨネーズを振りかけて、喰った。

とりあえずは、腹が満たされる。


これで、何とか眠れそうだった。


そして。

二時間後、俺はバイトだった。