心の中に潜む攻撃衝動
夢とは、潜在意識と密接な関わり合いがあるらしい。
人間の行動は、その多くを潜在意識が支配していると、何かで読んだことがあった。
その日。
バイトから帰宅し、仕事へ行く間に、十分ほど眠った。
その僅か十分足らずの間に、
俺はいつものように、夢を見た。
どこかのショッピングセンターか、学校か、それともマンションか。
とにかく、高層建築には必ずある、非常階段に俺はいた。
そして、強面の男。
俺と対峙し、やたらと絡んでくる。
ありもしない言いがかり。
俺の場合、夢の中の行動と、現実にとる行動に大差はなかった。
この状況だと、俺は逃げるか、なんとか穏便済まそうと、話し合いに持ち込もうとするだろう。
ところが、今回は違った。
俺はその男に組み付いて、階段を駆け上がった。
勢いを付けて、踊り場の壁に男の頭を叩き付ける。
一回。
二回。
三回。
とんでもないことだ。
間違いなく警察行きじゃないか。
しかし、嫌な感じはしなかった。
むしろ、その逆だった。
高揚感に包まれ、全身に血が駆け巡るのがわかった。
脈拍が上がる。
そこで、眼を覚ました。
ユングだったか。
それとも、フロイトだったか?
夢は、願望充足だと言っていた。
ひょっとしたら、夢の内容は、その人間が抱く潜在的な願望に起因するのだろうか。
俺は断じて、人を痛めつけたいなどとは、思っていない。
少なくとも、顕在意識下では。
しかし。
潜在意識下ではどうなのだろう?
夢と潜在意識との関係。
まあ、心の奥底で何を考えようと、各個人の自由なのだ。
その暴力的な願望を、現実に実行しない限りは。
犯罪者と俺を分かつ境界線なんて、それくらいのもので、心の中で渦巻く病巣は、同じものなのかもしれない。
人間の行動は、その多くを潜在意識が支配していると、何かで読んだことがあった。
その日。
バイトから帰宅し、仕事へ行く間に、十分ほど眠った。
その僅か十分足らずの間に、
俺はいつものように、夢を見た。
どこかのショッピングセンターか、学校か、それともマンションか。
とにかく、高層建築には必ずある、非常階段に俺はいた。
そして、強面の男。
俺と対峙し、やたらと絡んでくる。
ありもしない言いがかり。
俺の場合、夢の中の行動と、現実にとる行動に大差はなかった。
この状況だと、俺は逃げるか、なんとか穏便済まそうと、話し合いに持ち込もうとするだろう。
ところが、今回は違った。
俺はその男に組み付いて、階段を駆け上がった。
勢いを付けて、踊り場の壁に男の頭を叩き付ける。
一回。
二回。
三回。
とんでもないことだ。
間違いなく警察行きじゃないか。
しかし、嫌な感じはしなかった。
むしろ、その逆だった。
高揚感に包まれ、全身に血が駆け巡るのがわかった。
脈拍が上がる。
そこで、眼を覚ました。
ユングだったか。
それとも、フロイトだったか?
夢は、願望充足だと言っていた。
ひょっとしたら、夢の内容は、その人間が抱く潜在的な願望に起因するのだろうか。
俺は断じて、人を痛めつけたいなどとは、思っていない。
少なくとも、顕在意識下では。
しかし。
潜在意識下ではどうなのだろう?
夢と潜在意識との関係。
まあ、心の奥底で何を考えようと、各個人の自由なのだ。
その暴力的な願望を、現実に実行しない限りは。
犯罪者と俺を分かつ境界線なんて、それくらいのもので、心の中で渦巻く病巣は、同じものなのかもしれない。